受審後の実務

呉市の等級格付と経審(土木一式Aは総合数値940点以上)

呉市の建設工事の入札参加資格について、経審の総合評定値に主観的事項の点数を足した総合数値で決まる等級、業種ごとの点数の区切りと発注標準金額、市内業者・準市内業者の違い、資格の有効期間を、市の公表資料から整理します。

呉市「令和7・8年度 等級格付及び発注標準金額表」・「建設工事入札参加資格者の審査基準」
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

呉市は、建設工事の入札参加資格を業種ごとに審査し、経営事項審査(経審)の総合評定値に市が定める主観的事項の点数を足した「総合数値」で、業者を等級に分けています。令和7・8年度の等級は、土木一式と建築一式が4等級(A〜D)、とび・土工・コンクリート、電気、管、舗装、解体の5業種が3等級(A〜C)です。

この記事は、市の契約課が公表している等級格付表、審査基準、入札・契約制度の概要を原文で確認して整理します。県全体の制度は広島県の入札参加資格と経審、県内の大きな市の例は広島市の等級格付と経審で説明しています。

総合数値のしくみと、経審の使われ方

審査基準は、入札参加資格を業種別に審査し、「客観的事項」と「主観的事項」の点数の和を業種ごとに「総合数値」として付けると定めています。

総合数値の構成(審査基準第2条〜第5条)
区分内容
客観的事項入札参加資格の申請書に添える経営事項審査の結果で算定された、業種ごとの総合評定値
主観的事項市が各要素を審査した結果の数値。算出方法は、入札参加資格の認定(公示)ごとに別に定める
呉市の等級は、経審の総合評定値だけでなく、主観的事項の点数を足した総合数値で決まります。審査基準には主観的事項の具体的な配点が書かれていないため、その内訳は、市が申請の受付ごとに公表する案内で確かめてください。
  • 市の概要資料は、公共工事の元請として参加するには、申請する業種の建設業の許可を受け、経審を受けて、結果通知書に該当業種の総合評定値(P点)と完成工事高が計上されていることが必須だと明記しています。
  • 総合評定値は業種ごとの値で、等級も業種ごとに決まります。

P点(総合評定値)の計算そのものは経審のP点の計算の仕組み、通知書の有効期限の考え方は経審の有効期間と逆算で説明しています。

業種ごとの等級と総合数値の区切り

令和7・8年度の区切りは、次のとおりです。点数は、市の等級格付表に書かれた総合数値です。

土木一式工事・建築一式工事の等級(4等級)
等級土木一式の総合数値建築一式の総合数値
A940点以上820点以上
B770点〜939点740点〜819点
C640点〜769点590点〜739点
D639点以下589点以下
その他の業種の等級(3等級)
業種ABC
とび・土工・コンクリート工事800点以上610点〜799点609点以下
電気工事820点以上630点〜819点629点以下
管工事780点以上590点〜779点589点以下
舗装工事840点以上680点〜839点679点以下
解体工事770点以上580点〜769点579点以下
  • 上の7業種以外の工事は、等級の区分がありません。
  • 災害復旧工事の等級の扱いは、市の概要資料の「災害復旧工事の取扱い」の項を確かめてください。

同じ総合評定値でも、主観的事項の点数によって、等級の区切りをまたぐことがあります。入札ランクの考え方はP点と入札ランクの関係で整理しています。

発注標準金額と入札の方式

等級には、等級ごとに「発注標準設計金額」が決まっています。自分の等級で、どの規模の工事に参加できるかの目安になります(金額は消費税・地方消費税を含む)。

土木一式工事・建築一式工事の発注標準設計金額
等級金額の範囲
A7,000万円以上
B2,500万円以上9,000万円未満
C250万円以上5,000万円未満
D1,000万円未満
その他の5業種の発注標準設計金額
等級金額の範囲
A2,500万円以上
B250万円以上5,000万円未満
C1,000万円未満
  • 金額の範囲は、等級のあいだで重なっています(たとえば土木のBとCは、250万円以上5,000万円未満で重なる)。重なりの扱いは、個々の入札公告で確かめてください。
  • 予定価格が200万円を超える工事は、一般競争入札(事後審査方式または事前審査方式)で行われ、原則として電子入札です。
  • 事後審査方式では、入札公告に業種、等級格付、地域要件などの参加資格が付けられ、開札後に落札候補者の資格を審査します。
  • 特定JV(共同企業体)の対象は、土木・建築一式で概ね6億円、設備工事で概ね3億円以上の案件から選ばれます。

市内業者・準市内業者・市外業者の違い

業者の区分(市の概要資料)
区分内容
市内業者建設業の許可に係る主たる営業所が呉市内にある
準市内業者建設業の許可に係る従たる営業所が呉市内にあり、その営業所に契約締結の権限などを委任している。呉市内の営業所に建設業の許可がある業種だけ登録できる
市外業者市内業者と準市内業者以外
予定価格が5,000万円未満の工事は、原則として市内業者に限定して発注されます。市外業者が参加できるのは、主に5,000万円以上の工事になります。市外から入る場合の手続きは、市の「本店又は営業所等の開設に関する取扱基準」で確かめてください。

下請や主要資材の調達でも、市の発注工事では、極力、市内に主たる営業所・本店を持つ業者に発注するよう求められています。

有効期間と受付のしくみ

  1. 令和7・8年度の競争入札参加資格の有効期間は、令和7年4月1日から令和9年3月31日までです。
  2. 定期受付(名簿の更新)は2か年度に1度、追加受付は年に数回、それぞれ期間を決めて行われます。
  3. 申請に必要な書類は、市の契約課のホームページで確かめる扱いです。
  4. 次の定期受付の日程は、この記事を書いた時点では確認できていません。市の公表を待って確かめてください。

経審の結果通知書の有効期間と受付の時期を合わせる考え方は、経審の有効期間と逆算で説明しています。近くの県の市の例として、山口県の下関市の等級格付と経審も参考になります。

確認した一次資料

この記事は、呉市が公表している等級格付表、審査基準、入札・契約制度の概要の内容を整理したものです。点数や発注標準は改定されることがあり、令和7・8年度のものを確認しています。主観的事項の配点、申請書類、受付の日程は確認できていないため、市の案内で確かめてください。格付の判断は、市の審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 等級は、経審の総合評定値に主観的事項の点数を足した総合数値で、業種ごとに決まる。
  2. 土木一式のAは総合数値940点以上、建築一式のAは820点以上。その他の5業種は3等級。
  3. 等級ごとに発注標準設計金額があり、土木・建築のAは7,000万円以上が目安。
  4. 5,000万円未満の工事は、原則として市内業者に限定される。主たる営業所が市内にあるかが分かれ目。
  5. 令和7・8年度の資格の有効期間は、令和9年3月31日まで。次の定期受付の日程は市の公表で確かめる。

よくある質問

呉市の等級は、何の点数で決まりますか?
経営事項審査の総合評定値に、市が定める主観的事項の点数を足した総合数値で、業種ごとに決まります。
呉市の土木一式でAの等級は、総合数値が何点以上ですか?
令和7・8年度の等級格付表では、土木一式のAは940点以上、建築一式のAは820点以上です。
呉市の準市内業者とは何ですか?
建設業の許可に係る従たる営業所が市内にあり、その営業所に契約締結の権限などを委任している業者です。市内営業所に許可がある業種だけ登録できます。
呉市で市外業者が参加しにくい工事はありますか?
予定価格が5,000万円未満の工事は、原則として市内業者に限定して発注されます。
呉市の令和7・8年度の入札参加資格は、いつまで有効ですか?
令和7年4月1日から令和9年3月31日までです。定期受付は2か年度に1度行われます。

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