受審後の実務

厚木市の条件付一般競争入札と経審|総合評定値の基準・施工実績・手持ち工事の上限

厚木市の工事の条件付一般競争入札で、経審の総合評定値がどう使われるかを、市の実施要綱と事務取扱基準から整理します。対象の金額、本社の所在地の条件、総合評定値の固定、施工実績の範囲、手持ち工事の上限まで確認できます。

厚木市工事請負に係る条件付一般競争入札実施要綱(令和7年4月1日施行)/事務取扱基準
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

厚木市の条件付一般競争入札では、経審の総合評定値が参加できる工事の範囲を決めます。対象は原則として設計金額が200万円を超える工事で、参加するには、かながわ電子入札共同システムで厚木市を申請団体とした資格の認定が前提です。

この記事は、厚木市が公開している実施要綱と事務取扱基準の原文を確認してまとめます。発注金額ごとの総合評定値の一覧表の数字は、確認した資料には載っていないため書きません。神奈川県内の共同の申請の流れは神奈川県の共同受付の定期申請の流れで確認できます。

対象の工事と参加の前提

実施要綱の第2条は、条件付一般競争入札の対象を「原則として設計金額が200万円を超える工事」としています。確認した要綱は令和7年(2025年)4月1日の施行分です。要綱は改正されるため、施行日を確かめてください。

参加を希望する人は、第3条第1項第1号のとおり、かながわ電子入札共同システムの競争入札参加資格申請で、厚木市を申請団体として資格の認定を受けている必要があります。市独自の登録ではなく、県内の共同の仕組みに乗る形です。

厚木市の工事の入札には、かながわ電子入札共同システムで、厚木市を申請団体にした資格の認定が前提です。認定を受けていない人は、条件付一般競争入札の参加資格を満たしません。

参加の8つの条件

要綱の第3条第1項は、次の8つをすべて満たすことを求めています。

厚木市の条件付一般競争入札の参加条件(要綱第3条第1項)
号条件
1かながわ電子入札共同システムで、厚木市を申請団体とした資格の認定を受けている
2指名停止などの措置の期間中でない
3資格申請の本社または営業所等が、指定する地域にある
4対象工事の工種の認定を受け、資格申請時の経審の総合評定値が一定の基準を満たす。認定後に経審の受審時期が来たときは、その経審を受けている
5対象工事と同じ工種の施工実績がある
6現場に置く監理(主任)技術者などを適正に配置できる
7厚木市暴力団排除条例の暴力団員等などに当たらない
8神奈川県暴力団排除条例第23条第1項または第2項に違反しない

第4号の後半が、経審との関わりでは見落としやすい点です。資格を認定された後に経審の受審時期が来たら、その経審を受けていることが条件になります。経審を受け忘れると、認定を受けていても参加できなくなるおそれがあります。経審の有効期間の数え方は経審の有効期間と逆算で確認できます。

総合評定値と本社の所在地の使われ方

事務取扱基準の2(1)は、総合評定値の基準を「工事における条件付一般競争入札の発注金額に対する総合評定値一覧表」によるとしています。発注金額が大きい工事ほど、より高い総合評定値の人に絞る仕組みです。一覧表の数字そのものは、確認した資料には載っていません。

総合評定値と地域の条件(事務取扱基準 2(1)ア・イ)
項目内容
指定する地域原則は、資格申請の本社が厚木市内にあること
地域を広げる場合大型工事や特殊工事などで参加者が足りないと見込まれるとき、本社または営業所等が市内にあることなどに広げられる
総合評定値の基準発注金額に対する総合評定値の一覧表による。大型工事や特殊工事などでは、一覧表の範囲を広げられる
使う総合評定値厚木市の資格認定のときのもの。認定の有効期間の中は固定

基準に使う総合評定値は、市の資格認定のときのもので、認定の有効期間の間は固定と定められています。認定の後に経審を受け直しても、その有効期間の間は認定時の値が基準になる、という読み方になります。

特例として、定めた総合評定値の範囲に合う施工実績がなく、入札に全く参加できない事業者は、一覧表で最も低い発注金額の総合評定値の事業者が参加できる範囲で参加できます。年度の初めに、契約主管課へ申請して了解を得る必要があり、対象工事と同じ工種の実績がない事業者は参加できません。

点数から入札のランクを考える見方は経審のP点と入札ランクの関係で整理しています。

施工実績と技術者の条件

事務取扱基準は、施工実績と技術者について、次の条件を定めています。

施工実績と技術者の条件(事務取扱基準 2(1)ウ・エ)
項目内容
施工実績の工種対象工事と同じ工種で発注された実績
施工実績の金額原則として、同工種の最高の請負契約額の150/100を限度とする
施工実績の期間過去10年間に完成したもの
金額を広げる場合参加者が足りないと見込まれるときは、150/100を300/100にできる
技術者の雇用入札参加申請の期限の時点で、3か月以上の雇用関係がある
主任技術者の手持ち建設業法第26条第3項に当たるものを除き、1人3件まで。工事と建設コンサルタントの手持ちを合計して数える

経審の技術職員の数や点数と、入札で配置できる技術者の数は、別のものです。入札では、期限の時点で3か月以上雇っている技術者を、手持ちの件数の範囲で配置できるかが問われます。

手持ち工事と重複落札の制限

要綱の第3条第2項に基づく事務取扱基準2(2)は、工事の種類ごとに手持ち工事の上限を定めています。手持ち工事とは、施工中で、工事完成届を出す前の工事のことです。

手持ち工事の上限(事務取扱基準 2(2))
区分上限
土木、建築2件まで
舗装、造園1件まで
上記以外の工種2件まで
契約主管課の発注工事の全体3件まで

総合評価方式の工事と、土木・舗装の緊急維持補修工事は、手持ち工事の件数に加えません。また、市内に本店がある事業者で、契約主管課が発注した前年度中の完成工事に工事成績評定点78点以上のものがあり、65点未満の評定点がない場合は、全体の上限が「3件に当該工種の数を加えた数」になります。78点以上の工種は、工種ごとの上限も1件増えます。

同じ日に開札する工事では、随意契約と総合評価方式を除き、先に開札した案件の落札候補者になった人は、後の同じ種別の案件では無効になります。総合評価方式は、年度内に落札できるのは1件までです。いずれも、制限することで再度入札や不調になる場合は、適用されません。

不調のときの条件の広げ方

入札は原則1回で、予定価格の範囲内(最低制限価格以上)の入札がないときは、予定価格を事前公表した場合を除き、再度入札を1回行います。2回行っても落札者がいなければ、不調として、条件を変えて再度入札公告を行います。

  • 総合評定値の範囲は、当初の事業者を含めて、直近上位まで広げる。直近上位がないときは、直近下位の市内事業者まで広げることがある
  • 施工実績は、150/100だったものを300/100に広げる
  • それでも参加者が増えないと見込まれるときは、市内に営業所等がある、または近隣市町村に本社か営業所等があることなどに、地域を広げる
  • 再度入札公告でも落札者がいないときは、手持ち工事と重複落札の制限を外して公告できる

完成の時期を延ばせないときなどは、地方自治法施行令第167条の2第1項第8号に基づく随意契約になることもあり、原則として3者以上の見積書を集めます。初めの公告の条件で参加できなかった人にも、不調の後に参加できる機会が生まれる仕組みです。

確認した一次資料

まとめ

  1. 厚木市の条件付一般競争入札は、原則として設計金額200万円超の工事が対象で、かながわ電子入札共同システムで厚木市を申請団体にした資格の認定が前提。
  2. 参加できる範囲は、資格認定時の総合評定値で決まり、認定の有効期間の間は固定される。認定後に経審の受審時期が来たら、その経審を受けておく。
  3. 施工実績は、同工種で過去10年間に完成した、最高の請負契約額の150/100までのもの。技術者は3か月以上の雇用が必要。
  4. 手持ち工事は土木・建築が2件、舗装・造園が1件まで。不調のときは、総合評定値の範囲・施工実績・地域が広がる。

要綱と基準は改正されることがあるため、最新の市の公開資料で確認してください。次に知りたいことは、次の2本で確認できます。

手元の数字からP点を試算するなら経審P点シミュレーターが使えます。評点は概算で、正式な評点は審査結果が優先されます。

よくある質問

厚木市の条件付一般競争入札は、いくら以上の工事が対象ですか?
実施要綱の第2条は、原則として設計金額が200万円を超える工事を対象としています。確認した要綱は令和7年4月1日の施行分で、要綱は改正されることがあります。
厚木市の工事の入札に参加するには、何が前提ですか?
かながわ電子入札共同システムの競争入札参加資格申請で、厚木市を申請団体として資格の認定を受けていることです。あわせて、対象工種の認定と経審の総合評定値の基準も満たす必要があります。
厚木市の入札で使う総合評定値は、いつの経審のものですか?
事務取扱基準は、厚木市の競争入札参加資格の認定時のものとし、認定の有効期間の中は固定すると定めています。認定の後に経審の受審時期が来たときは、その経審を受けている必要があります。
厚木市の入札で、手持ち工事は何件までですか?
土木と建築は2件まで、舗装と造園は1件まで、それ以外の工種は2件までで、契約主管課の発注工事の全体では3件までです。総合評価方式の工事などは件数に加えません。
厚木市の入札の施工実績は、どの範囲のものが対象ですか?
対象工事と同じ工種で、過去10年間に完成したものです。金額は原則として、同工種の最高の請負契約額の150/100までを限度とし、参加者が足りないと見込まれるときは300/100に広げられます。

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