公共工事の完成検査から引渡し・請求までの事務の順番|完成通知・検査14日・引渡し・支払40日
公共工事標準請負契約約款の第32条(検査及び引渡し)と第33条(請負代金の支払い)の定めを軸に、完成通知から請求までの順番と、コリンズの竣工登録・電子納品を入れる位置を整理します。
公共工事標準請負契約約款 第32条・第33条工事が終わったあとの事務は、完成の通知、検査、引渡し、請求の順に進みます。この順番は、公共工事標準請負契約約款に書かれています。ただし、実際の契約は発注者ごとの約款と特記仕様書によるため、この記事は標準の約款を基準にした地図として使い、自社の契約図書で照らし合わせてください。
約款が定める順番
標準約款では、完成後の流れは次の順です。
| 順 | 事務 | 定め | 約款の箇所 |
|---|---|---|---|
| 1 | 受注者が、工事の完成を発注者に通知する | 工事を完成したときは、その旨を通知しなければならない | 第32条第1項 |
| 2 | 発注者が、受注者の立会いのうえで検査する | 通知を受けた日から14日以内に、検査を完了し、結果を受注者に通知する | 第32条第2項 |
| 3 | 検査に合格しなければ、修補して再検査を受ける | 直ちに修補し、修補の完了を工事の完成とみなして前各項を適用する | 第32条第6項 |
| 4 | 工事目的物を引き渡す | 検査で完成を確認したあと、受注者が引渡しを申し出れば、発注者は直ちに引渡しを受ける | 第32条第4項 |
| 5 | 受注者が、請負代金を請求する | 検査に合格したときは、請求できる | 第33条第1項 |
| 6 | 発注者が、代金を支払う | 請求を受けた日から40日以内 | 第33条第2項 |
検査で受注者がすること
- 立会い:検査は受注者の立会いのうえで行われます(第32条第2項)。
- 破壊検査の費用:発注者は、必要があると認めるときは、理由を通知して工事目的物を最小限度破壊して検査できます。検査または復旧に直接要する費用は受注者の負担です(第32条第2項・第3項)。
- 不合格のとき:直ちに修補して再度検査を受けます。約款は、修補の完了を工事の完成とみなして、完成の通知から支払いまでの定めを適用するとしています(第32条第6項)。
- 発注者が検査を遅らせたとき:発注者の責めに帰すべき事由で14日以内に検査をしなかった場合、期限を過ぎた日から検査をした日までの日数が、支払いの40日から差し引かれます(第33条第3項)。
設計図書に定める検査の方法や、検査の種類(完成検査のほかに中間の検査があるか)は、発注者の特記仕様書によります。この記事では、国の検査の種類別の運用までは確認していません。
引渡しのタイミング
- 検査で工事の完成を確認したあと、受注者が引渡しを申し出れば、発注者は直ちに引渡しを受けなければなりません(第32条第4項)。
- 受注者が引渡しを申し出ないときは、発注者は、引渡しを請負代金の支払いの完了と同時に行うことを請求できます。この請求には、受注者は直ちに応じなければなりません(第32条第5項)。
つまり、引渡しの申出を検査の直後にするか、支払いと同時にするかで、事務の順番が変わります。自社の契約でどちらが想定されているか、契約担当に確かめます。
請求と支払い
請求できるのは、検査に合格したあとです(第33条第1項)。請求書の様式や添付書類、提出先は発注者ごとに異なります。インボイス制度に対応した請求書の書き方は『公共工事の請求事務とインボイス』にあります。
前払金や部分払いを受けた工事では、完成払いの金額が変わります。代金の支払時期ごとの期限は『公共工事の代金の支払時期』に整理しています。
コリンズ・電子納品を入れる位置
約款の第32条・第33条には、コリンズの竣工登録も電子納品も出てきません。これらは別の根拠による手続きで、期限も別に数えます。
- コリンズの竣工登録:国土交通省の直轄土木工事の例では、工事完成後、土日祝等を除き10日以内です。完成の通知から検査までの14日の間に期限が来ることがあります。手順は『コリンズの竣工登録・訂正登録・削除の手順』、期限日は『登録期限の計算』で出せます。
- 電子納品:電子成果品を発注者へ納品する事務です。納品の時期は発注者の指定によります。要領の範囲は『電子納品の事務の流れ』にあります。
どの事務を検査の前に済ませるかは、特記仕様書と監督職員の指示で決まります。完成の通知をする前に、並べて確かめておくと、検査の立会いの日取りと重なっても慌てません。
確認した一次資料
- 中央建設業審議会「公共工事標準請負契約約款」第32条(検査及び引渡し)、第33条(請負代金の支払い)
確認日:2026年10月15日。標準約款の定めで、各発注者の約款・特記仕様書が異なる場合はそちらが優先します。検査の種類別の運用、国の工事検査要領の内容は、この記事では確認していません。
次に知りたいこと
まとめ
- 標準約款の順番は、完成通知、検査(通知から14日以内)、引渡し、請求、支払い(請求から40日以内)。
- 不合格なら修補して再検査。修補の完了を完成とみなす。
- 引渡しは、受注者の申出か、支払いの完了と同時のどちらかで行われる。
- コリンズの竣工登録と電子納品は約款の外の手続き。期限と時期を、契約図書で並べて確かめる。
この記事は公開情報の整理で、個別の契約に対する判断や、申請・届出の代行・個別の相談は行いません。具体的な取扱いは、各発注者の契約担当の案内で確認してください。正式な評点は審査結果が優先します。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 完成の通知から検査までは何日ですか?
- 標準約款の第32条第2項は、発注者が通知を受けた日から14日以内に、受注者の立会いのうえで検査を完了し、結果を受注者に通知するとしています。
- 検査に合格しなかったらどうなりますか?
- 第32条第6項により、受注者は直ちに修補して発注者の検査を受けます。修補の完了を工事の完成とみなして、前各項の定めを適用するとされています。
- 工事目的物の引渡しはいつ行いますか?
- 検査で完成を確認したあと、受注者が引渡しを申し出れば発注者は直ちに受けます。申し出ないときは、発注者が請負代金の支払いの完了と同時の引渡しを請求できます(第32条第4項・第5項)。
- 請負代金はいつ請求できますか?
- 第33条第1項は、検査に合格したときに請求できるとし、第2項は発注者が請求を受けた日から40日以内に支払うとしています。
公開日: 2026-10-15
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