公共工事の電子納品(電子成果品)の事務|コリンズの竣工登録との関係と提出前のチェック
公共工事の完成時に行う電子納品について、国土交通省の「工事完成図書の電子納品等要領」(令和8年2月)の範囲で、用語、提出前に確かめる項目、コリンズの竣工登録との関係を整理します。
令和8年4月1日以降に契約した工事から令和8年2月版電子納品は、工事が完成したときに、工事完成図書を電子データで発注者に納める事務です。コリンズの竣工登録とは別の作業で、提出先も違います。この記事は、国土交通省の要領に書かれている範囲だけを扱います。自治体や発注者ごとの運用は、契約図書で確かめてください。
どの要領が対象かを先に確かめる
国土交通省の「電子納品に関する要領・基準」のページでは、一般土木の「工事完成図書の電子納品等要領」の令和8年2月版が、令和8年4月1日以降に契約を締結する工事から適用と案内されています。それ以前に契約した工事は、契約時点の版が基準になる可能性があります。
この要領は、土木工事共通仕様書に規定する工事完成図書を電子成果品として納品する場合の電子データの仕様を定めたものです(要領の「1 適用」)。電気通信設備編など、別の要領もあります(国土交通省の一覧で確認できます)。自社の工事がどれに当たるかは、特記仕様書で確かめます。
電子納品に関する用語
要領の「2 用語の定義」は、次のように定めています。
- 納品:受注者が発注者に、工事完成時に成果品を納めること。
- 電子成果品:共通仕様書に定める工事完成図書のうち、電子的手段で発注者に納品する電子データ。
- 電子納品:受注者が発注者に、電子成果品と工事帳票を納品すること。
- オンライン電子納品:情報共有システムに登録された電子成果品を、インターネット経由で納品すること。
- 電子検査:書類を紙に出力せず、電子データを使って行う検査。
納品の方法が電子媒体かオンラインかは、発注者の指定によります。契約図書の記載を先に読みます。
提出前に確かめる項目
要領本編で、提出前の確認に関わる項目は次のとおりです。
| 確認する項目 | 要領の定め | 要領の箇所 |
|---|---|---|
| 電子成果品の条件 | 情報の真正性、見読性、保存性が確保されていること | 7-1 |
| ウイルス対策 | 電子成果品の完成時にウイルスチェックを行う。ソフトは指定がないが、信頼性が高く、常に最新のデータに更新したものを使う | 8-1 |
| 管理ファイルの使用文字 | 管理ファイル(XML文書)が対象。使用できる半角・全角の文字に限りがある | 8-2 |
| 複数枚になる場合 | 原則1枚に格納する。複数枚なら、同一の工事管理ファイル(INDEX_C.XML)を各媒体のルート直下に置き、メディア番号をラベルの「何枚目/全体枚数」と合わせる | 7-3 |
要領への適合を確かめる道具として、国土交通省は「電子納品チェックシステム」を提供しています。公式の概要では、ファイル名・フォルダ名・フォルダ構成、管理項目、管理ファイルのXMLの文法などを確認できる一方、報告書やCAD図面などの成果品の内容は確認できないとされています。チェックシステムが通っても、書類の中身の確認は別に必要です。
どの版のチェックシステムを使うか、検査前に発注者へ見せる必要があるかは、発注者の指定によります。この記事では確認できていません。
電子媒体で納品するときの表記
電子媒体で納品する場合、要領は媒体に次の事項を明記するよう定めています(7-2)。
- 工事番号、工事名称、電子媒体の内容、作成年月
- 発注者名、受注者名、何枚目/全体枚数
- ウイルスチェックに関する情報、フォーマット形式
- 発注者署名欄、受注者署名欄
ウイルス対策については、媒体の表面に、使用したソフト名、定義ファイルの年月日またはパターンファイル名、チェック年月日(西暦表示)を明記します(8-1)。
コリンズの竣工登録との関係
コリンズの竣工登録は、一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)のシステムに、工事の実績データを登録する手続きです。電子納品は、発注者に工事完成図書を納める手続きです。提出先も内容も別なので、一方が済んでも他方は済みません。
今回確認した要領本編には、電子納品とコリンズの竣工登録のどちらを先に行うかの定めは見つかりませんでした。竣工登録の期限は、国土交通省の直轄土木工事の例では、コリンズの竣工登録・訂正登録・削除の手順に整理しています。期限日は登録期限の計算で出せます。発注者ごとに日数や起算が違うことがあるため、納品の期限と合わせて、特記仕様書と監督職員の指示で確かめます。
受注から竣工までのコリンズの登録の全体は、コリンズ4つの登録の早見表にあります。
確認した一次資料
- 国土交通省「工事完成図書の電子納品等要領 本編」(令和8年2月)用語の定義、電子成果品の条件、媒体の表記、複数枚の処置、ウイルス対策
- 国土交通省「電子納品チェックシステム」の概要確認できる項目と、成果品の内容は確認できない点
- 国土交通省「電子納品に関する要領・基準」令和8年2月版の適用開始(令和8年4月1日以降に契約する工事)。一覧であり、個別の要領は上のPDF
確認日:2026年10月15日。電気通信設備編などほかの要領の中身、自治体の独自の要領、納品の期限と提出先は、この記事では確認していません。
次に知りたいこと
まとめ
- 令和8年2月版の要領は、令和8年4月1日以降に契約する工事から適用される。
- 電子納品は発注者への納品で、コリンズの竣工登録とは提出先も内容も別。
- 提出前に、ウイルスチェック、管理ファイルの使用文字、複数枚の処置、媒体の表記を確かめる。
- チェックシステムは形式の確認で、成果品の内容は確認できない。
この記事は公開情報の整理で、個別の契約に対する判断や、申請・届出の代行・個別の相談は行いません。具体的な取扱いは、各発注者の契約担当の案内で確認してください。正式な評点は審査結果が優先します。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 電子納品とコリンズの竣工登録は同じ手続きですか?
- 別の手続きです。電子納品は発注者に工事完成図書の電子成果品を納める事務、コリンズの竣工登録はJACICのシステムへの実績データの登録です。提出先も内容も違うため、一方が済んでも他方は済みません。
- 電子納品チェックシステムで何が確認できますか?
- 国土交通省の概要では、ファイル名・フォルダ名・フォルダ構成、管理項目、管理ファイルのXMLの文法などを確認できる一方、報告書やCAD図面など成果品の内容は確認できないとされています。
- 電子成果品が1枚の媒体に入らないときはどうしますか?
- 要領は原則1枚に格納するとし、複数枚になる場合は同一の工事管理ファイル(INDEX_C.XML)を各媒体のルート直下に置き、メディア番号を媒体ラベルの何枚目/全体枚数と合わせるとしています。
- 令和8年2月版の要領はどの工事から適用されますか?
- 国土交通省の要領・基準のページでは、令和8年4月1日以降に契約を締結する工事から適用と案内されています。それ以前の契約は、契約時点の版を契約図書で確かめます。
公開日: 2026-10-15
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