建設業許可

建設業許可の「役員等の一覧表」に載せる人の範囲|執行役員・顧問・相談役・議決権5%以上の株主

許可申請書の別紙「役員等の一覧表」に、誰まで書くのかを、建設業法第5条第3号と国土交通省の許可事務ガイドラインから整理します。執行役員は載せるのか、顧問や相談役は載せるのか、5%以上の株主はどうなるのかを、条文の言葉で確認します。

建設業法・許可事務ガイドラインで確認
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

建設業の許可を申請するときも、更新するときも、申請書に「役員等の一覧表」を付けます。取締役が載ることは分かっていても、執行役員、監査役、顧問、相談役、大株主を載せるのかは、会社の事務担当が迷いやすい点です。載せた人が欠格要件に当たると許可に響くため、範囲を先に押さえておく必要があります。

この記事は、公表されている法令とガイドラインの整理です。特定の人を載せるべきかどうかは、この記事では判断できません。申請先の許可行政庁の案内が優先します。

要点:取締役などの役員のほか、顧問・相談役、総株主の議決権の5%以上を持つ株主、出資総額の5%以上を出資している個人も、一覧表に書くことになっています。執行役員や監査役は原則として入りませんが、取締役会の決議で具体的な権限委譲を受けた執行役員などは入ります。

条文が定める「役員等」

建設業法第5条第3号は、法人が許可を申請するとき、資本金額と役員等の氏名を申請書に書くよう定めています。「役員等」は、業務を執行する社員、取締役、執行役、これらに準ずる者、または相談役、顧問その他いかなる名称の者であるかを問わず、これらと同等以上の支配力を有するものと認められる者です。

肩書きだけでは範囲が決まらず、「支配力」という実態の言葉が入っている点がポイントです。この実態の部分を、ガイドラインが一覧表の書き方として具体的に示しています。

一覧表に載せる人・載せない人

許可事務ガイドライン【第5条関係】は、別紙一「役員等の一覧表」の記載について、次のように整理しています。

役員等の一覧表への記載(許可事務ガイドライン 第5条関係)
人一覧表の扱い
業務を執行する社員(持分会社)載せる
取締役(株式会社)載せる
執行役(指名委員会等設置会社)載せる
これらに準ずる者(法人格のある各種組合等の理事等)載せる
顧問・相談役載せる
総株主の議決権の100分の5以上を有する株主載せる
出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている個人載せる
役職を問わず、取締役と同等以上の支配力を有する者載せる
執行役員、監査役、会計参与、監事、事務局長等原則として役員に含まれない(次の節の場合を除く)

顧問・相談役の欄には、経営業務の管理を担う常勤役員等を直接に補佐する者として申請があった人も含まれる、と書かれています。肩書きが顧問や相談役であっても、一覧表には載せるのが原則です。

執行役員が載る場合

ガイドラインは、執行役員、監査役、会計参与、監事、事務局長等を「執行役員等」とまとめ、役員には含まれないと書いています。ただし、次の人は一覧表の役員に含める、とされています。

  • 業務を執行する社員、取締役または執行役に準ずる地位にあること
  • 建設業の経営業務の執行について、取締役会の決議を経て、取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受けていること

つまり、執行役員という肩書きがあるだけでは載りません。権限委譲の実態があるかどうかで分かれます。同じ「執行役員等」の考え方は、経営業務の経験を数える場面にも出てきます。経験の数え方は『常勤役員等(経営業務の管理責任者に代わる要件)の経験の数え方』を参照してください。

5%以上の株主と出資者

ガイドラインは、取締役などと同等以上の支配力を有する可能性がある者として、少なくとも次の2つを一覧表に書かせる、としています。

株主等の記載(許可事務ガイドライン 第5条関係)
対象基準
株主総株主の議決権の100分の5以上を有する
出資者出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている(個人に限る)

基準は議決権の割合です。持株数や配当の多さではなく、議決権で見る点に注意します。この2つの人をガイドラインは「株主等」と呼んでいます。株主等に当たらなくても、役職を問わず取締役と同等以上の支配力を持つ人がいれば、その人も書きます。

載せた人が欠格要件に当たったとき

建設業法第8条第12号は、法人の役員等または政令で定める使用人の中に、欠格要件に当たる人がいると、許可をしてはならないと定めています。欠格要件の内容は『建設業許可の欠格要件と更新』で整理しています。

ガイドライン【第8条関係】は、一覧表に載った人のうち、顧問・相談役・株主等が欠格要件に当たった場合の扱いを、次のように分けています。

  • 「その他いかなる名称の者であるかを問わず、…同等以上の支配力を有するものと認められる者」は、従来の「役員」と同様に扱う。
  • 顧問・相談役・株主等は、取締役などと同等以上の支配力を有するものと認められるかどうかを、個別に判断する。

つまり、一覧表に載っているだけで、顧問・相談役・株主等が直ちに役員と同じ扱いになるわけではありません。ただし、個別の判断の結果は案件ごとに変わるため、迷うときは許可行政庁に確認します。

株主に変更があったとき

ガイドライン【第11条関係】は、一覧表に書かなければならない、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主に変更があった場合、変更を確知してから30日以内に提出するよう指導する、としています。すでに書いている株主の持ち分比率が100分の5を下回らないときは、提出を要しない、とも書かれています。

取締役などの変更届の期限や書類は『建設業許可の変更届の期限』と『役員・営業所技術者の変更届の添付書類』にまとめています。

事務担当の確認順

  1. 登記事項証明書などで、業務を執行する社員、取締役、執行役を洗い出す。
  2. 顧問・相談役の肩書きを持つ人がいるかを確認する。いれば一覧表に載せる。
  3. 執行役員などがいるときは、取締役会の決議を経た具体的な権限委譲を受けているかを確認する。受けていれば載せる。
  4. 株主名簿などで、総株主の議決権の5%以上を持つ株主と、出資総額の5%以上を出資している個人を確認する。
  5. 肩書きのない人でも、取締役と同等以上の支配力を持つ人がいないかを確認する。
  6. 載せる人全員について、欠格要件に当たらないかを確認する。
  7. 申請先の手引きで、一覧表の書式や添付書類を確認する。

確認した一次資料

本記事は公表されている資料の紹介です。個別の案件への判断や相談は行っていません。実際の判断は、許可行政庁の案内が優先します。

まとめ

  1. 一覧表には、取締役などの役員のほか、顧問・相談役も載せる。
  2. 総株主の議決権の5%以上を持つ株主と、出資総額の5%以上を出資している個人も載せる。
  3. 執行役員・監査役などは原則載せないが、取締役会の決議を経て具体的な権限委譲を受けた執行役員などは載せる。
  4. 顧問・相談役・株主等が欠格要件に当たったときは、同等以上の支配力があるかを個別に判断する。
  5. 5%以上の株主に変更があったときは、変更を知ってから30日以内の提出を指導される。

次に知りたいこと:『建設業許可の欠格要件と更新』/『役員・営業所技術者の変更届の添付書類』/『建設業許可を新しく取るための要件』

よくある質問

役員等の一覧表には、誰を載せますか?
建設業法第5条第3号の役員等です。業務を執行する社員、取締役、執行役、これらに準ずる者のほか、相談役・顧問その他いかなる名称の者であるかを問わず、これらと同等以上の支配力を有するものと認められる者が含まれます。
執行役員は一覧表に載せますか?
許可事務ガイドラインは、執行役員は原則として役員に含まれないとしています。ただし、取締役などに準ずる地位にあり、建設業の経営業務の執行について取締役会の決議を経て具体的な権限委譲を受けた執行役員等は、含むとされています。
顧問や相談役は載せますか?
ガイドラインは、別紙の役員等の一覧表に「顧問」及び「相談役」も記載させるとしています。
どれくらい持っている株主を載せますか?
ガイドラインは、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主と、出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者(個人に限る)を、少なくとも記載させるとしています。
監査役は一覧表に載せますか?
ガイドラインは、監査役、会計参与、監事、事務局長等は役員には含まれないとしています。ただし、取締役と同等以上の支配力を持つ人がいれば、役職を問わずその人も記載します。
5%以上の株主が変わったら、届出は要りますか?
ガイドラインは、一覧表に書かなければならない5%以上の株主に変更があった場合、変更を確知してから30日以内に提出するよう指導するとしています。すでに記載している株主の持ち分比率が5%を下回らないときは、提出を要しません。

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