建設業許可の更新で問われる欠格要件|新規との違いと、許可後に該当したときの届出・取消し
建設業法第8条の14号のうち、更新で問われる9号、役員等に及ぶ範囲、2週間以内の届出を条文で確認します。
建設業法・施行規則建設業許可の欠格要件は、建設業法第8条に14号あります。新しく許可を受けるときは全部が対象ですが、5年ごとの更新では、条文の括弧書きで対象の号が絞られています。許可を受けたあとに役員が該当したときの届出と取消しも、同じ号を基準に定められています。
更新で問われる号と問われない号
建設業法第8条の柱書は、許可をしてはならない場合を定めたうえで、括弧書きで「許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか」と限っています。更新で問われるのは、14号のうち第1号と第7号〜第14号の9号です。
| 号 | 内容(要旨) | 更新(申請者本人) |
|---|---|---|
| 第1号 | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 | 問われる |
| 第2号 | 建設業許可を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者(法第29条第1項第7号・第8号による取消し) | 問われない |
| 第3号・第4号 | 上の取消し処分の通知後に廃業を届け出た者で、届出の日から5年を経過しないもの(第3号)。その通知の日前60日以内に、廃業を届け出た法人の役員等または政令で定める使用人だった者で、届出の日から5年を経過しないもの(第4号) | 問われない |
| 第5号 | 営業の停止を命じられ、その停止の期間が経過しない者 | 問われない |
| 第6号 | 営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者 | 問われない |
| 第7号 | 拘禁刑以上の刑に処せられ、刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 | 問われる |
| 第8号 | 建設業法、建設工事の施工や労働者の使用に関する政令指定の法令、暴力団対策法などの違反、または刑法・暴力行為等処罰法の一部の罪により罰金刑に処せられ、同じく5年を経過しない者 | 問われる |
| 第9号 | 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者 | 問われる |
| 第10号 | 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの | 問われる |
| 第11号 | 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、法定代理人が欠格要件に当たるもの | 問われる |
| 第12号 | 法人で、役員等または政令で定める使用人のうちに、第1号〜第4号・第6号〜第10号に当たる者がいるもの | 問われる |
| 第13号 | 個人で、政令で定める使用人のうちに、同じ号に当たる者がいるもの | 問われる |
| 第14号 | 暴力団員等がその事業活動を支配する者 | 問われる |
表の「更新」の列は申請者本人についてです。役員等や使用人が第2〜4号・第6号に当たる場合は、第12号・第13号が更新の対象に入っているため、更新でも問われます。
第8号の「政令で定める法令」は、建設業法施行令第3条の2が列挙しています。建築基準法、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法などの規定が挙がっています。第10号の「国土交通省令で定める者」は、施行規則第8条の2が「精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」と定めています。
申請書や添付書類の重要な事項に虚偽の記載がある場合、重要な事実の記載が欠けている場合も、柱書で許可をしてはならないとされています。この部分は更新を絞る括弧書きの外にあります。
誰が対象になるか:役員等と政令で定める使用人
第12号と第13号により、欠格要件は申請者本人だけでなく、法人の役員等と政令で定める使用人にも及びます。役員等は、法第5条第3号で「業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者」と定義されています。
政令で定める使用人は、施行令第3条が「支配人及び支店又は第一条に規定する営業所の代表者(支配人である者を除く。)」と定めています。肩書きが取締役でなくても、相談役や顧問が役員等に含まれる場合があり、営業所の代表者は使用人として対象になります。
役員の交代・就任の前に:役員等や営業所の代表者が替わると、新しく就く人も欠格要件の対象です。更新の時期だけでなく、就任の前に、その人が上の表の号に当たらないかを本人に確かめておくと、あとから届出や取消しの問題になるのを避けられます。個別の事情が当たるかどうかは、許可を受けた行政庁(地方整備局または都道府県)の窓口で確認してください。
更新申請で出す誓約の書面
許可申請書には、法第6条第1項第4号の書面を添付します。許可を受けようとする者(法人は法人、その役員等、政令で定める使用人)と法定代理人が、第8条各号に掲げる欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面で、施行規則第2条が別記様式第六号と定めています。
更新については、法第6条第2項が「同項第一号から第三号までに掲げる書類を添付することを要しない」と定めています。第1号〜第3号は工事経歴書、直前三年の工事施工金額の書面、使用人数の書面です。第4号の誓約の書面は免除の対象に入っていないため、更新でも添付する書類にあたります。提出書類の全体は、申請先の手引きで確認します。
許可を受けたあとに該当したとき:2週間以内の届出と取消し
許可を受けた建設業者が、第8条第1号または第7号〜第14号のいずれかに該当するに至ったときは、法第11条第5項により、2週間以内に、その旨を書面で許可行政庁に届け出なければなりません。書面は、施行規則第10条の2が別記様式第22号の3と定めています。
この「第1号と第7号〜第14号」は、更新で問われる号と同じです。許可後に該当したときの届出も、更新のときの欠格要件の確認も、同じ9号を基準にしています。
届出とは別に、法第29条第1項第2号は、許可を受けた建設業者が第8条第1号または第7号〜第14号のいずれかに該当するに至った場合、許可行政庁は許可を取り消さなければならないと定めています。条文は「取り消すことができる」ではなく「取り消さなければならない」です。
なお、第8条第2号で5年間許可を受けられなくなるのは、不正の手段による許可の取得(法第29条第1項第7号)や、情状の特に重い違反(同項第8号)による取消しの場合です。この2つの取消しは、更新で問われない第2号の対象で、取消しの日から5年は新しい許可を受けられません。
| 時点 | 手続き | 根拠 |
|---|---|---|
| 許可の申請(新規) | 14号すべてを確認。誓約の書面(様式第六号)を添付 | 法第8条、第6条第1項第4号 |
| 5年ごとの更新 | 第1号・第7号〜第14号を確認。誓約の書面は更新でも添付 | 法第8条柱書、第6条第2項 |
| 許可を受けたあと | 第1号・第7号〜第14号に該当するに至ったら2週間以内に届出(様式第22号の3) | 法第11条第5項、施行規則第10条の2 |
| 届出の有無にかかわらず | 該当するに至った場合は許可の取消し(義務) | 法第29条第1項第2号 |
経営業務の管理や営業所技術者を後任なしで外す場合の届出は、同じ様式第22号の3を使います。詳しくは『建設業許可の変更届』で整理しています。
次に知りたいこと
- 許可の維持:『建設業許可の更新』
- 新しく取る場合の基準:『建設業許可を新しく取るための要件』
- 役員や営業所の変更:『建設業許可の変更届』
確認した一次資料
- 建設業法(e-Gov法令検索)第5条第3号(役員等)、第6条(添付書類)、第8条(許可をしない場合)、第11条第5項、第29条第1項(令和8年10月19日確認)
- 建設業法施行令(e-Gov法令検索)第3条(使用人)、第3条の2(法第8条第8号の法令の規定)(令和8年10月19日確認)
- 建設業法施行規則(e-Gov法令検索)第2条(別記様式第六号)、第8条の2(心身の故障)、第10条の2(別記様式第22号の3)(令和8年10月19日確認)
まとめ
- 欠格要件は法第8条の14号。更新で本人について問われるのは第1号と第7号〜第14号の9号で、役員等・使用人は第12号・第13号を通じて第2〜4号・第6号も対象。
- 対象は本人のほか、法人の役員等と、支配人・支店や営業所の代表者。
- 誓約の書面(様式第六号)は、更新でも添付する書類に含まれる。
- 許可後に第1号・第7号〜第14号に該当したら、2週間以内に様式第22号の3で届出。許可の取消しは義務。
この記事は条文の整理で、個別の会社や個人が欠格要件に当たるかどうかを判断するものではなく、申請の代行や個別相談には対応しません。最終的には、許可を受けた行政庁の手引きと窓口の案内を確認してください。正式な評点は審査結果が優先します。
よくある質問
- 建設業許可の更新でも、欠格要件は確認されますか?
- されます。建設業法第8条の柱書は、許可の更新を受けようとする者については、第1号または第7号から第14号までのいずれかに該当するときに許可をしてはならないと定めています。
- 更新のとき、欠格要件の全部が問われますか?
- 全部ではありません。申請者本人について更新で問われるのは第1号と第7号〜第14号で、許可の取消しや営業の停止・禁止に関する第2号〜第6号は括弧書きで除かれています。ただし役員等や使用人がこれらに当たる場合は、第12号・第13号を通じて更新でも問われます。
- 欠格要件は、役員が該当した場合も問われますか?
- 問われます。第12号は、法人の役員等または政令で定める使用人のうちに第1号〜第4号・第6号〜第10号に当たる者がいる法人を欠格としています。政令で定める使用人は、施行令第3条で支配人と、支店や営業所の代表者です。
- 許可を受けたあとに欠格要件に該当したら、どうなりますか?
- 第1号または第7号〜第14号に該当するに至ったときは、建設業法第11条第5項により2週間以内に書面で届け出ます。書面は施行規則第10条の2で別記様式第22号の3です。また法第29条第1項第2号により、許可行政庁は許可を取り消さなければなりません。
- 更新の申請でも、欠格要件に該当しない旨の誓約の書面は必要ですか?
- 法第6条第2項が更新で添付を要しないとするのは同項第1号〜第3号の書類(工事経歴書、直前三年の工事施工金額の書面、使用人数の書面)です。第4号の誓約の書面(別記様式第六号)は免除の対象に入っていません。
公開日: 2026-10-19
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