建設業許可の営業所の確認資料|賃貸借契約書は要るか・写真に書く使用権原・営業所に当たる事務所
建設業許可の申請では、営業所が実在し、使えることを示す資料を求められます。国土交通大臣許可で今求められているもの、都道府県の例、そもそも何が営業所に当たるかを、公開資料から整理します。申請先ごとに運用が違うため、共通する点と確認点を分けて示します。
地方整備局・県の手引きの例許可の申請や更新の準備で「営業所の賃貸借契約書や登記簿謄本は提出するのか」「写真には何を書くのか」と迷う場面があります。この記事は、国土交通省中国地方整備局の許可の手引き(令和8年4月1日版)、国土交通省の書類見直しの案内、熊本県の案内から、営業所の確認資料の現在の扱いを整理します。営業所に置く技術者の要件は営業所技術者(旧・専任技術者)の解説にあります。
営業所とは何か
中国地方整備局の手引きは、許可事務ガイドラインに基づき、営業所を「本店」または「支店」もしくは「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」としています。
「常時請負契約を締結する事務所」は、請負契約の見積り、入札、狭義の契約締結など、契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所です。契約書の名義人がその事務所を代表する者かどうかは問いません。
- 他の営業所に対して請負契約の指導監督を行うなど、建設業の営業に実質的に関与する事務所も、営業所になる。
- 登記上の本店になっているだけで、実際は建設業の営業を行わない店舗は、営業所に当たらない。
- 建設業と無関係な支店・営業所も、営業所に当たらない。
- 許可を受けた業種について軽微な建設工事だけを行う営業所も、営業所に当たる。営業所技術者の配置がなければ、軽微な工事のみでも営業できない。
許可の区分(国土交通大臣許可か都道府県知事許可か)は、営業所を置く都道府県の数で決まります。2以上の都道府県に営業所を置くなら大臣許可、1つの都道府県だけなら知事許可です。
賃貸借契約書や登記簿謄本は要るか
国土交通省の「建設業許可に係る書類の見直し」は、令和2年4月1日以降、国土交通大臣許可で次の書類の提出を求めないとしています。
- 営業所の地図。
- 営業所を使用する権原(使う権利)を確認するための、不動産登記簿謄本や不動産賃貸借契約書の写し等。
中国地方整備局の手引きも、申請書類の注として「営業所の地図、営業所を使用する権原を確認するための不動産登記簿謄本及び不動産賃貸借契約書の提出は不要」と書いています。ただし同じ手引きは、省略できる書類や一覧にない書類でも、記載内容の確認のために提示や提出を求める場合があるとしています。
契約書が不要でも、使う権利を示す契約書や登記簿はいつでも出せるようにしておくと、確認を求められたときに困りません。
写真に書く内容と撮るもの
契約書の代わりに、営業所の写真に使用権原を書く形になっています。国土交通省の案内は、写真の提出を求める際に、使用権原を確認するため「自己所有または賃貸借等の別」の記載を求めるとしています。
中国地方整備局の手引きは、営業所の確認資料として、営業所の名称、使用権原(自己所有または賃貸借等の別)、撮影日を記載した次の写真を挙げています。写真台紙は同局のホームページに掲載されています。
- 建物の外観(建物の全景と、営業所の看板等が確認できるもの)。
- 入口付近(表札等で営業所名が確認できるもの)。
- 営業所の内部全景(電話、机等の什器備品が確認できるもの)。
- 建設業の許可票(掲示場所と記載内容が読めるもの)。新規申請は不要。
電話や机などの備品が写真で確認できる形にしておく、という点が、営業所の実体を見る手がかりになっています。
申請先で変わる点
書類の見直しは、国土交通大臣許可と、熊本県知事許可で確認できました。熊本県の案内は、営業所の地図と、不動産登記簿謄本や賃貸借契約書の写し等の確認書類を、令和2年4月1日以降は提出を求めないとし、写真の提出時に自己所有か賃貸借等かの記載を求めるとしています。
他の都道府県は、確認した資料の範囲では扱いを断定できません。契約書の写しや、営業所の独立性を示す資料の要否は、許可を受ける都道府県の最新の手引きで確かめてください。更新や変更の期限の考え方は変更届の期限で確認できます。
申請前の確認順
- 申請する営業所が、請負契約の見積り・入札・締結を実際に行う事務所かを確かめる。
- 申請先(地方整備局か都道府県)の最新の手引きで、営業所の確認資料の一覧を見る。
- 写真は、外観・入口・内部・許可票(新規は不要)の順に、名称・使用権原・撮影日を記載して用意する。
- 契約書や登記簿の提出が不要でも、手元ですぐ出せるようにしておく。
- 営業所の移転や新設があれば、営業所の変更に関する届出の期限を確かめる。
この記事は公開資料の整理で、個別の手続きについての助言ではありません。実際の手続きは、許可行政庁の案内に従ってください。
確認した一次資料
- 国土交通省中国地方整備局 建設業許可の手引き(令和8年4月1日)営業所の定義、確認資料(写真)、注15
- 国土交通省 建設業許可に係る書類の見直し令和2年4月1日以降の提出不要書類
- 熊本県 建設業許可に係る書類の見直し営業所の権原を確認する書類の扱い
まとめ
- 営業所は、本店・支店または常時請負契約を締結する事務所。登記上だけの本店は当たらない。
- 国土交通大臣許可では、令和2年4月1日以降、営業所の地図と賃貸借契約書・登記簿謄本の写しは提出不要。
- 代わりに、営業所の写真へ自己所有か賃貸借等かを書く。外観・入口・内部(電話、机)を撮る。
- 他の都道府県の扱いは、申請先の最新の手引きで確かめる。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 建設業許可の申請で、営業所の賃貸借契約書は提出しますか?
- 国土交通省の案内は、令和2年4月1日以降、国土交通大臣許可で営業所の使用権原を確認するための不動産登記簿謄本や賃貸借契約書の写し等の提出を求めないとしています。ただし確認のため提示や提出を求める場合があるため、手元に用意しておくと安心です。
- 営業所の写真には何を書きますか?
- 中国地方整備局の手引きは、営業所の名称、使用権原(自己所有または賃貸借等の別)、撮影日を記載した写真を求めています。外観、入口付近、内部全景、許可票(新規は不要)の4種類です。
- 登記上の本店だけで実際は営業をしていない場所は営業所になりますか?
- 手引きは、単に登記上の本店とされているだけで建設業の営業を行わない店舗は、営業所に当たらないとしています。営業所は、請負契約の見積り・入札・締結などを実際に行う事務所です。
- 都道府県知事許可でも契約書は不要ですか?
- 熊本県は令和2年4月1日以降、営業所の地図と登記簿謄本・賃貸借契約書の写し等の提出を求めないとしています。他の都道府県の扱いは確認した資料の範囲では分からないため、許可を受ける都道府県の最新の手引きで確かめてください。
公開日: 2026-10-31
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