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建設業許可・経審29業種の区分の考え方|まぎらわしい工事の見分け方

同じ「コンクリートブロックを積む工事」でも、現場によって該当する業種が変わります。国土交通省の公式基準にもとづく境界事例を整理しました。

国土交通省の許可事務ガイドライン
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

経審(経営事項審査)は、建設業法別表第一が定める29業種ごとに受審します。しかし現場の工事内容は、複数の業種にまたがって見えることが少なくありません。この記事は「自社の工事がどの業種に該当するか」を国土交通省の公式基準にもとづいて整理します。

業種別にP点がどう計算されるかは経審のP点は業種ごとに算定で解説しています。

区分表の見方

国土交通省の公式資料「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」は、29業種それぞれを4つの列で定義しています。

区分表の4列構成
列根拠内容
建設工事の種類建設業法別表29業種の正式名称
建設工事の内容告示その業種が扱う工事の定義
建設工事の例示建設業許可事務ガイドライン具体的な工事名の例
建設工事の区分の考え方建設業許可事務ガイドライン他業種とまぎらわしい場合の判断基準

この記事は4列目「区分の考え方」に明記された境界事例のうち、実務で遭遇しやすいものを抜粋しています。全29業種・全項目は国土交通省の建設業許可事務ガイドラインで確認してください。

上下水道3業種の境界

上下水道に関する工事は、土木一式工事・管工事・水道施設工事の3業種にまたがって見えることがあります。

公道下等の下水道の配管工事・下水処理場自体の敷地造成工事は土木一式工事、家屋その他の施設の敷地内の配管工事・上水道等の配水小管を設置する工事は管工事、上水道等の取水・浄水・配水等の施設や下水処理場内の処理設備を築造・設置する工事は水道施設工事です。農業用水道・かんがい用配水施設等は水道施設工事ではなく土木一式工事に該当します。

浄化槽・し尿処理施設・公害防止施設の業種区分

し尿処理に関する施設の建設工事は、処理方式と設置者によって管工事・水道施設工事・清掃施設工事の3業種に分かれます。公害防止施設は清掃施設工事にはならず、設備の種類ごとに区分します。

し尿処理施設・公害防止施設の業種区分
工事の内容該当業種
浄化槽(合併処理槽を含む)によりし尿を処理する施設の建設工事(規模の大小を問わない)管工事
公共団体が設置するもので、下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事水道施設工事
公共団体が設置するもので、汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事清掃施設工事
公害防止施設を単体で設置する工事のうち、排水処理設備管工事
公害防止施設を単体で設置する工事のうち、集塵設備機械器具設置工事

浄化槽によるし尿処理施設の建設工事は、規模の大小を問わず管工事に区分されます。清掃施設工事に当たるのは、公共団体が設置し汲取方式で収集したし尿を処理する施設に限られます。

清掃施設工事そのものは「し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事」(例:ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事)を指します。公害防止施設(排水処理設備・集塵設備等)を単体で設置する工事は清掃施設工事ではなく、設備の種類に応じてそれぞれの専門工事(管工事・機械器具設置工事等)に区分します(国土交通省の建設業許可事務ガイドラインによる)。

コンクリートブロック工事の境界

「コンクリートブロックを積む・据え付ける」工事は、目的によって3業種に分かれます。

コンクリートブロック工事の業種区分
工事の内容該当業種
根固めブロック・消波ブロックの据付け等、土木工事において規模の大きいコンクリートブロックを据え付ける工事とび・土工・コンクリート工事
建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事、法面処理・擁壁としてコンクリートブロックを積む・はり付ける工事石工事
コンクリートブロックにより建築物を建設する工事(エクステリア工事を含む)タイル・れんが・ブロック工事

鉄骨工事の境界

鉄骨工事は、製作工程を含むかどうかで業種が変わります。鉄骨の製作・加工から組立てまでを一貫して請け負うのは鋼構造物工事、既に加工された鉄骨を現場で組み立てることのみを請け負うのはとび・土工・コンクリート工事です。

屋根・太陽光・板金の境界

屋根に関わる工事は、素材ではなく「屋根をふく工事かどうか」で判断します。瓦・スレート・金属薄板は屋根をふく材料の種類を示すだけで、業種を分ける基準ではありません。板金で屋根をふく工事も、板金工事ではなく屋根工事です。

屋根・太陽光・板金に関わる工事の業種区分
工事の内容該当業種
瓦・スレート・金属薄板など、材料を問わず屋根をふく工事(板金屋根工事を含む)屋根工事
断熱処理を施した材料で屋根をふく屋根断熱工事屋根工事
屋根一体型の太陽光パネル設置工事屋根工事
太陽光発電設備の設置工事(パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事を含む)電気工事
建築物の内外装として板金をはり付ける建築板金工事(外壁へのカラー鉄板張付け、厨房の天井へのステンレス板張付け等)板金工事

太陽光発電設備の設置で、建設業許可の電気工事と電気工事業の登録を区別して確認したい場合は、建設業許可と電気工事業登録の違いを参照してください。

防水工事の境界

防水工事に含まれるのはいわゆる建築系の防水工事のみで、トンネル防水工事等の土木系の防水工事はとび・土工・コンクリート工事に該当します。また、防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業・防水工事業のどちらの許可でも施工可能とされています。

機械器具設置工事は他業種と重複しうる

機械器具設置工事には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、設置する機械器具の種類によっては電気工事・管工事・電気通信工事・消防施設工事等と重複することがあります。

重複する場合は、原則として電気工事などそれぞれの専門の工事の方に区分し、どれにも当たらない機械器具や複合的な機械器具の設置が機械器具設置工事になります。運搬機器設置工事には昇降機設置工事も含まれます。

電気工事と電気通信工事のどちらに当たるかを確認する場合は、工事例と契約範囲の見方を整理した姉妹サイトの電気工事と電気通信工事の建設業許可区分の違いを参照してください。

注意:ここで挙げた事例は国土交通省の建設業許可事務ガイドラインに明記された考え方の抜粋です。個別の工事がどの業種に該当するかの最終判断は、契約内容・工事の実態にもとづき許可行政庁が行います。判断に迷う場合は許可行政庁または専門家(行政書士等)に確認してください。

解体工事の境界

解体工事は「工作物の解体を行う工事」を指しますが、解体する目的物と請け負い方によって業種が変わります。

解体に関わる工事の業種区分
工事の内容該当業種
それぞれの専門工事で建設される目的物について、それのみを解体する工事各専門工事
総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を解体する工事土木一式工事
総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を解体する工事建築一式工事
上のいずれにも当たらない、工作物の解体を行う工事解体工事

まとめ

  • 29業種の区分は「建設工事の種類・内容・例示・区分の考え方」の4列で公式に定義されている。
  • 上下水道3業種(土木一式・管・水道施設)は、工事の場所(公道下/敷地内/処理施設)で区分される。
  • コンクリートブロック工事は目的(土木工事の据付け/建築物の内外装/建築物の建設)で3業種に分かれる。
  • 鉄骨工事は製作工程を含むか(鋼構造物工事)、組立てのみか(とび・土工・コンクリート工事)で区分される。
  • 屋根の太陽光パネル設置は屋根工事、太陽光発電設備自体の設置は電気工事。
  • 機械器具設置工事は設置する機械の種類によって他業種と重複しうる。
  • 解体工事は、専門工事の目的物のみを解体するなら各専門工事に該当し、総合的な企画・指導・調整のもとでの解体は土木一式・建築一式工事に該当する。

業種別にP点がどう変わるかは経審のP点は業種ごとに算定、技術職員を業種ごとにどう数えるかは経審の技術職員数値とはで解説しています。2業種を同時に試算する場合は複数業種P点比較を参照してください。自社の数値でP点を試算する場合は経審P点シミュレーターをお使いください。

建設業許可・経審で使う29業種と、国土交通省の入札参加資格で使う工事区分は別の体系です。両者の対応関係は国交省入札の希望工種区分22種|建設業許可との対応表で確認できます。入札ランクは一般土木・アスファルト舗装・造園・建築・電気設備・暖冷房衛生設備の6区分ごとに確認するため、該当する工事区分の目安は入札参加資格ランクの目安計算で確認してください。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

結果通知書の交付後に新しい業種の許可を受けた場合の手続きは経審の業種追加申請とはで解説しています。

区分した結果、審査対象業種に該当しない工事の完成工事高をどこに記入するかは経審の完成工事高「その他工事」(項番33)とはで解説しています。

よくある質問

経審の29業種はどこで確認できますか?
国土交通省の「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」(建設業許可事務ガイドライン)で、建設業法別表第一が定める29業種すべての内容・例示・区分の考え方を確認できます。
太陽光パネルの設置工事はどの業種ですか?
屋根一体型の太陽光パネル設置工事は屋根工事に該当します。屋根とは別に太陽光発電設備自体を設置する工事は電気工事に該当します。
コンクリートブロックを積む工事はどの業種ですか?
目的によって異なります。土木工事で規模の大きいブロックを据え付ける場合はとび・土工・コンクリート工事、擁壁・法面処理としてはる場合は石工事、建築物の建設として積む場合はタイル・れんが・ブロック工事です。
鉄骨を組み立てる工事はどの業種ですか?
鉄骨の製作・加工から組立てまでを一貫して請け負えば鋼構造物工事、既に加工された鉄骨の組立てのみなら、とび・土工・コンクリート工事に該当します。
業種の判断に迷ったらどうすればよいですか?
この記事の内容は国土交通省のガイドラインに明記された考え方の抜粋です。個別の工事がどの業種に該当するかの最終判断は、許可行政庁または専門家(行政書士等)に確認してください。

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本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責