入札・契約

入札説明書への質問書と現場説明会の使い方|期限・書き方・回答の見方

入札に参加すると決めた後、設計図書や入札条件で分からない点を発注者に確かめる方法を、自治体と国の実例で整理します。

地方自治法施行令・秋田市・中部地方整備局の案内
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

入札で分からない点は、入札前に発注者へ文書で質問して確かめます。質問の期限、出し方、回答の見方は発注者と案件ごとに違い、全国共通の決まりはありません。このページでは、法令が求める公告の内容と、秋田市と国土交通省中部地方整備局の実例から、質問書と現場説明会で確認する順番を説明します。

質問書で確かめる理由:公告の条件に違反すると無効になる

地方自治法施行令第167条の6は、自治体の長が一般競争入札をするときは、入札に参加する者に必要な資格、入札の場所と日時、その他入札について必要な事項を公告しなければならないと定めています。さらに公告では、資格のない者の入札と、入札に関する条件に違反した入札は無効とすることを明らかにしておく必要があります。

つまり、入札説明書や公告に書かれた条件の読み違いは、入札の無効につながるおそれがあります。条件の意味が曖昧なときは、思い込みで進めず、決められた方法で発注者に質問して確かめます。

質問の期限と回答の時期:案件の資料で見る

質問の期限は、入札公告や入札説明書、閲覧設計図書に付く「質問および回答について」などの資料に書かれています。実例を2つ挙げます。

質問の期限と提出方法の実例
発注者質問の期限・提出先提出方法
秋田市(工事・業務等の入札)閲覧設計図書に付属する「質問および回答について」に記載指定の質問様式ファイルに記入し、電子メールに添付して送る。口頭や電話では受け付けない
国土交通省 中部地方整備局(一般競争・総合評価落札方式の工事)質問は入札書の提出期限の8日前まで、回答は3日前まで(平成29年4月の入札説明書の改訂時点)案件の入札説明書に従う

中部地方整備局は、平成29年4月18日以降に公告する案件から、申請書・技術資料・技術提案書についても、入札書とは別に質問期限と回答期限を設けると案内しました。申請書等の提出期限の8日前までが質問、3日前までが回答です。技術提案を出す案件では、申請の段階と入札書の段階で、質問できる期限が別になることがあります。期限は発注者が見直すため、最新の入札説明書で日付を確かめます。

質問書の書き方:実例にある決まり

秋田市の手続きでは、質問できるのは、その入札案件の入札参加資格を持つ人です。質問は閲覧設計図書(金抜き設計書)の内容などについて、指定の様式に書きます。

国土交通省中部地方整備局の現場説明書の例(平成22年の業務。工事ではありません)では、質問は書式自由のA4判の文書で、持参、郵送、電送、電子メールのどれでも出せました。文書には、回答を受ける担当窓口の部署、氏名、電話番号、FAX番号、電子メールアドレスを書くことになっています。電子メールで出すときは、着信を確かめるよう求められていました。

  • 提出方法を先に確かめる:様式があるか、メールだけか、窓口持参も可能か、電子入札システムから送るか。
  • 連絡先を書く:回答を受ける部署と氏名、電話、メールアドレスを様式どおりに書く。
  • 一問ずつ書く:どの資料のどの箇所か(入札説明書の項目、図面番号など)を示し、知りたいことを1つに絞る。
  • 着信を確かめる:メールで出したときは、期限内に届いたことを確かめる。

ここで挙げた書き方の決まりは、秋田市と中部地方整備局の実例です。他の発注者では様式や提出方法が違うため、必ず案件の資料に従ってください。

回答の見方:公開される範囲と、質問にならないもの

秋田市の手続きでは、質問と回答は指定のサイトで一般に公開されます。質問者の名前は公開されません。似た質問は、まとめて回答されることがあります。質問ではないもの(要望や意見など)には、原則として回答されません。

回答は他の参加者にも見られるため、自社だけの事情や積算の考え方を書くのは避け、資料の読み方や条件の確認に絞るのが無難です。

回答書の見方は発注者で違います。中部地方整備局の現場説明書の例では、回答書は回答の翌日から開札日の前日まで、土日祝日を除く10時から16時に、指定の閲覧室の掲示板で見られると書かれていました。回答が出たら、期限までに他の参加者と同じ回答を確認し、積算と書類に反映します。

質問の対象にならないもの:参考数量の例

秋田市は、金抜き設計書に載せる設計数量のうち、土木工事以外の数量は、契約書でいう設計図書(図面と仕様書など)ではなく参考資料として扱うと案内しています。この「参考数量」については、数量に関する疑義は質問回答の対象としません。契約を結んだ後に、契約に基づいて協議するとされています。

同じ案件の資料でも、質問できるものとできないものが分かれることがあります。何が質問の対象かも、その発注者の案内で確かめます。

現場説明会がない場合の考え方

現場説明会は、必ず開かれるわけではありません。中部地方整備局の現場説明書の例では、現場説明会は実施しないと書かれていました。その場合、業務の内容は、入札説明書、契約書案、競争契約入札心得、図面、仕様書、現場説明書によるものとされ、不明な点は質問書で確かめる形でした。

現場説明会がある案件でも、質問の受け付けは文書で、期限までと決められていることがあります。当日の説明で気づいた点は、案件の資料に書かれた方法と期限で出し直せるかを確かめます。

質問する前に確かめること

質問の期限、様式、提出先、回答の公開方法は、案件の入札公告と入札説明書で確かめてください。契約を結んだ後の現場の体制は、主任技術者の兼務の記事で確認できます。

確認した一次資料

まとめ

  • 公告の条件に違反した入札は無効にされるため、分からない条件は質問で確かめます。
  • 質問の期限・様式・提出先は案件の資料に書かれています。国の例では、質問は入札書の提出期限の8日前、回答は3日前でした。
  • 秋田市の例では、質問は様式に書いてメール添付で送り、質問と回答は名前を伏せて公開されます。
  • 参考数量のように、質問の対象にならないものもあります。現場説明会がない案件もあるため、文書で確かめる習慣をつけます。

この記事は制度の説明で、個別の入札の判断や特定のサービスの推奨は行いません。質問の条件は、発注者の入札公告と入札説明書で確認してください。

よくある質問

入札で分からない条件があるとき、どうすればよいですか?
入札公告や入札説明書に書かれた方法で、期限までに発注者へ質問します。地方自治法施行令第167条の6により、公告の条件に違反した入札は無効とされるため、思い込みで進めないことが大切です。
質問の期限はいつまでですか?
案件の入札公告や入札説明書に書かれています。国土交通省中部地方整備局の総合評価落札方式の工事では、平成29年4月の改訂時点で、質問は入札書の提出期限の8日前まで、回答は3日前までとされていました。
質問と回答は他の参加者にも見られますか?
秋田市では、質問と回答が指定のサイトで一般に公開され、質問者の名前は公開されません。回答の公開方法は発注者ごとに違うため、案件の資料で確かめます。
現場説明会は必ず開かれますか?
必ずではありません。中部地方整備局の現場説明書の例には、現場説明会を実施しないと書かれたものがあります。その場合は、入札説明書や図面などをもとに、質問書で確かめます。

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