受審後の実務

盛岡市の工事の等級格付と経審|土木一式の甲Aは格付基準数値906以上

盛岡市と盛岡市上下水道局の建設工事で、経審の総合評定値に市独自の技術等評価の点数を足した「格付基準数値」が、等級と発注標準額にどう使われるかを、令和8・9年度の区分表と審査基準から整理します。令和9年度の追加提出年の受付期間も載せています。

盛岡市 令和8・9年度の入札参加資格者の区分
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

盛岡市は、土木一式工事・建築一式工事・電気工事・管工事・水道施設工事の5つについて、経営事項審査の総合評定値と、市が独自に行う技術等評価の点数を合計して等級を決めます。等級ごとに、発注標準額と、そろえるべき施工管理技士などの人数も決まっています。

この記事は、盛岡市が公開している「工事に係る入札参加資格の区分について」「技術等評価項目の審査基準」と、令和9年度追加提出年の受付ページを原文で確認し、経審に関わる部分を整理します。

地域区分と等級の決まり方

盛岡市は、本店または支店の所在地で資格者を3つの地域区分に分けます。甲は盛岡市内に建設業法第3条第1項の本店がある者、乙は市内に支店などがある者、丙はそれ以外の者です。

等級がつくのは、甲と乙の5工種です。経営事項審査の総合評定値と、市独自の技術評価項目の審査による数値の合計で決まります。等級の数は、土木一式・建築一式・水道施設が甲でA・B・C、乙でA・B、電気工事・管工事が甲乙ともA・Bです。丙には等級がありません。

市外の会社も、市内に支店などがあれば乙として格付されますが、乙の格付基準数値は甲より大幅に高く設定されています。土木一式の乙のAは1,361以上で、甲のAの906以上とは別の基準です。

発注標準額は目安で、市は、工事の難易度などにより、この区分によらない発注を行う場合があるとしています。入札ランク目安ツールの結果は目安であり、盛岡市の格付を決めるものではありません。

土木一式・建築一式の格付基準数値と発注標準額

次の表は、令和8・9年度の区分表の土木一式工事です。甲の等級には、土木施工管理技士などの人数の条件もあります。

土木一式工事(盛岡市の区分表から)
地域区分等級発注標準額格付基準数値技術者数の条件
甲A5,000万円以上906以上1級または2級が10人以上、うち1級が4人以上
B1,500万円以上6,000万円未満621以上1級または2級が5人以上、うち1級が2人以上
C2,500万円未満620以下1級または2級が3人以上
乙A5,000万円以上1,361以上なし
B5,000万円未満1,360以下なし
建築一式工事(盛岡市の区分表から)
地域区分等級発注標準額格付基準数値技術者数の条件
甲A5,000万円以上862以上1級または2級が6人以上、うち1級が3人以上
B1,500万円以上6,000万円未満734以上1級または2級が4人以上
C2,500万円未満733以下1級または2級が3人以上
乙A5,000万円以上1,595以上なし
B5,000万円未満1,594以下なし

区分表の備考では、「1級」は1級建設機械施工技士、各業種の1級施工管理技士、1級建築士、各業種の技術士、監理技術者資格者証の交付を受けている技術者です。「2級」は、主任技術者になれる国家資格などを持つ人で、1級の人を除きます。

電気工事・管工事・水道施設工事の基準は、区分表のPDFに同じ形式で載っています。たとえば電気工事の甲のAは格付基準数値854以上、管工事の甲のAは751以上です。

技術者数の条件は、等級ごとに求められるものです。経審での技術職員の数え方は技術検定と技能士の点数で整理しています。

技術等評価の項目と配点

市は、令和9年度の資格審査で、経営評価点と技術評価点の比率を公表しています。令和8・9年度は技術評価点数が23.1%、経営評価点数が76.9%で、令和6・7年度の23.3%と76.7%から大きくは変わっていません。

技術等評価の項目と配点(令和9年度の審査基準)は、次のとおりです。

技術等評価項目の主な配点(審査基準から)
項目点数
市営建設工事・市上下水道局の工事成績(完了検査が令和3年4月1日から令和8年3月31日、請負金額130万円以上)+70から-156
競争入札参加資格の停止(令和6・7年度、1月につき)-10
盛岡市優良建設工事表彰の受賞(1件につき、上限+40)+20
資格取得の取組(新たに資格を取得した職員または新たに常時雇用した人、1人につき、上限+45)+15
道路の除排雪業務の受注実績・奉仕活動(重複加点なし、上限+70)+70、+20、+20のいずれか
盛岡市消防団員の常時雇用(1人につき、上限+40)+10
保護観察対象者等の雇用に係る協力雇用主の登録+10
一般事業主行動計画の策定(次世代育成支援対策推進法・女性活躍推進法)+10
災害時の応急対策に関する協定の締結(20点)、災害復旧工事・緊急修繕の受注(40点)、上限+60+20、+40

工事成績は、年度ごとに請負金額と評定点の積を合計して請負金額の合計で割り、5か年度分の評定点から平均を出して四捨五入します。基準点は65点で、技術評価点数のウエイトは2倍です。

盛岡市の格付は経審の点数だけでなく、市の工事成績、除排雪の実績、消防団員の雇用、災害協定などの加減点で動きます。経審の総合評定値が同じ会社でも、市での実績によって等級が分かれることがあります。

経審の総合評定値そのものの計算はP点の計算の仕組みで整理しています。

令和9年度追加提出年の受付

令和8・9年度は定期提出年で、令和9年度は追加提出年です。令和9年4月1日から令和10年3月31日までを有効期間とする建設工事の申請は、令和8年10月1日(木)から11月2日(月)まで受け付けられています。申請期間を過ぎた申請は受け付けられません。

  • 現在、名簿に登録している人は、新たに他市町の登録を希望する場合や、工種の追加を希望する場合を除き、申請は不要です。
  • 申請は、盛岡広域8市町(盛岡市、八幡平市、滝沢市、雫石町、葛巻町、岩手町、紫波町、矢巾町)共通の「受付システム」で行います。システムに入力し、様式をダウンロードして作った書類を、印鑑証明書などと一緒にアップロードします。
  • システムの運用時間は、月曜日から金曜日(祝日を除く)の午前8時30分から午後9時までです。9月25日から9月30日の事前入力は可能ですが、受付期間前に申請すると不備ありとして受理されません。
  • 審査結果は文書では送られません。令和9年3月下旬ごろに電子メールで連絡する予定で、認定内容は市のホームページに公表されます。

経審の結果通知書の見方と有効期間は経審の有効期間と逆算で確認できます。

この記事で確認できなかった点

  • 工事成績の評定点を、等級の格付基準数値の中でどう換算するか(審査基準の項目と配点は確認した範囲に限ります)。
  • 令和9年度の追加提出年の審査で、区分表の数値が変わるかどうか。
  • 入札ごとの参加条件(案件ごとの公告で決まる)。

確認した一次資料

この記事は、盛岡市の公表資料を整理したものです。申請の可否や個別の判断は、市の最新の案内と審査結果が優先されます。

まとめ

  1. 盛岡市は、土木一式・建築一式・電気・管・水道施設の5工種で、経審の総合評定値と市独自の技術等評価の合計から等級を決める。
  2. 土木一式の甲のAは格付基準数値906以上で発注標準額5,000万円以上、建築一式の甲のAは862以上。施工管理技士などの人数の条件もある。
  3. 技術等評価は、市の工事成績、除排雪、消防団員の雇用、災害協定などで加減点される。技術評価点数の比率は23.1%。
  4. 令和9年度追加提出年の受付は令和8年10月1日から11月2日まで。登録済みの人は、他市町や工種の追加を除き申請不要。

よくある質問

盛岡市の等級は、何の点数で決まりますか?
経営事項審査の総合評定値と、市が独自に行う技術等評価の審査による数値の合計で決まります。対象は土木一式、建築一式、電気、管、水道施設の5工種で、地域区分は甲と乙です。
盛岡市の土木一式で、甲のAになる格付基準数値は何点ですか?
906以上で、発注標準額は5,000万円以上です。あわせて、土木施工管理技士などの1級または2級が10人以上、うち1級が4人以上という条件もあります。
盛岡市の地域区分の甲と乙は、どう違いますか?
甲は盛岡市内に建設業法上の本店がある者、乙は市内に支店などがある者です。土木一式の乙のAは格付基準数値1,361以上で、甲のAの906以上より高く設定されています。
盛岡市の技術等評価には、どんな項目がありますか?
市の工事成績(+70から-156)、資格停止の月数、優良工事表彰、資格取得の取組、除排雪業務の実績、消防団員の雇用、災害協定の締結などがあります。技術評価点数の比率は23.1%です。
盛岡市の令和9年度追加提出年の受付は、いつまでですか?
令和8年10月1日から11月2日までです。盛岡広域8市町共通の受付システムで申請し、期間を過ぎた申請は受け付けられません。名簿に登録済みの人は、他市町や工種の追加を除き申請不要です。
盛岡市の審査結果は、どのように知らされますか?
文書の送付はなく、令和9年3月下旬ごろに電子メールで連絡する予定です。認定内容は、盛岡市のホームページに公表されます。

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