国と自治体の入札参加資格を併せて申請するときの共通書類と順番(納税証明書・経審結果通知書・実績)
国の一元受付(建設工事)と自治体の入札参加資格を同じ時期に申請するとき、書類ごとに使い回せる点と、自治体ごとに違う点を表にしました。取る順番も整理しています。
確認日 2026年10月19日国の工事と市の工事の両方に入札したい会社では、同じ時期に国の一元受付と、いくつかの市の入札参加資格を申請することになります。納税証明書も、経営事項審査(経審)の結果通知書も、登記事項証明書も、どの申請先にも求められる書類です。それなのに、有効とされる期間や、写しで足りるかどうかは、申請先ごとに書き方が違います。このページは、国の手引きと3市の申請要領を並べて、書類を二度集めずに済むように整理したものです。
対象は建設工事の資格です。国の物品・役務の資格や、他の業務の資格は扱いません。3市は例であり、全国の自治体がこの運用とは限りません。自分の申請先の要領で、必ず確かめてください。
共通して求められる書類と、申請先で違う点
国の手引き(令和9・10年度版)と、秋田市・青森市・明石市の申請要領を読むと、次の3つは4つの申請先すべてに出てきます。
- 国税の納税証明書:4つとも、消費税及び地方消費税などの未納税額がないことの証明を求めています。4つとも写しで足りると書かれています。
- 経審の結果通知書(総合評定値通知書):国はシステムが持つ最新のデータを使い、3市は写しの提出を求めています。
- 法人の登記事項証明書:3市は求めています。国の手引きでは、新設法人などの限られた場合と、変更届の添付書類に出てきます。
一方、次の点は申請先ごとに違います。
- 書類が有効とされる期間の数え方(申請日前3か月以内、送信日の3か月前まで、受付日の属する月の前月1日以降)。
- 経審の結果通知書の写しを出すことで、ほかの書類を省けるかどうか。
- 工事経歴書など、実績の資料の提出の有無と年数。
- 市税の納税や完納の証明が必要になる条件(市内に本店などがあるか)。
書類ごとの取り扱い(国と3市の比較)
次の表は、国の手引きと各市の要領に書かれている取り扱いを並べたものです。秋田市の要領は市内業者用、明石市の要領は追加申請用で、それぞれ受付の区分が限られます。青森市の要領は、書類ごとに法人・個人、新規・変更の別を表にしています。
| 書類 | 国の一元受付 | 秋田市 | 青森市 | 明石市 |
|---|---|---|---|---|
| 経審の結果通知書 | 通知書そのものは送らない。令和7年6月16日以降を審査基準日とする最新のデータが使われる | 写し。審査基準日から1年7か月を経過していないもの | 写し。200万円以下の維持修繕工事のみの登録希望なら不要 | 写し(A4)。参加有効期限開始予定日において有効なもの |
| 国税の納税証明書 | システムで送信。その2が今回から必須で、その3の2・その3の3・その3のいずれか1枚(写し)。その3等は証明年月日が送信日の3か月前まで | 消費税の「その3」(その3の3でも可)。直近の事業年度のもの。写し可 | 法人はその3の3、個人はその3の2(写し)。通知書の写しを出せば不要の扱い | 法人はその3の3、個人はその3の2。受付日の属する月の前月1日以降の発行。写し可 |
| 登記事項証明書 | 通常は添付書類に出てこない。新設法人でその2が出ない場合などに必要 | 法人は登記事項証明書。申請日前3か月以内。写し可 | 履歴事項全部証明書か現在事項全部証明書(写し)。申請日前3か月以内の発行 | 商業登記簿謄本。前月1日以降の発行。写し可、両面コピー可 |
| 工事経歴書 | 添付書類として手引きが挙げるのは納税証明書。完成工事高は申請書データに入力する | 経審で秋田県に出したものの写し。新規と更新イは2年分、更新アは1年分 | 経審を受けた業種を登録するなら不要 | 申請書類一覧表にはない |
| 市税の証明 | なし(国税のみ) | 法人市民税、固定資産税などの納税証明書 | 税情報確認同意書。申請日時点で市税に未納がないことが条件 | 市内に本店か、市内の支店に権限を委任する場合のみ、市税完納証明書 |
表の「通知書の写しを出せば不要の扱い」は、青森市の要領の備考欄にある「別表2の経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書(写し)の提出があれば不要です」という記載を読んだものです。同じ備考は財務諸表等と青色申告決算書にも付いています。
国税の納税証明書:1回の請求で使い回せる範囲
国税の納税証明書は、4つの申請先のどれにも写しで足りると書かれています。この点は、一度請求した証明書を複数の宛先に使う余地があるということです。ただし、使い回すときに確かめる点が2つあります。
- 証明の種類が足りているか:国の手引きは、その3の3(法人)、その3の2(個人)に「◎」を付け、できる限りこれらを出すよう案内しています。3市の要領もその3の3(法人)またはその3の2(個人)を求めており、法人なら共通してその3の3が使えます。ただし、国にはそれに加えてその2(法人税の所得金額の証明)が必須です。国の分だけ、請求する種類が1つ増えます。
- 発行日が各宛先の期間に入っているか:国は、その3等の証明年月日が送信日の3か月前までのものと書いています。明石市は、市の受付日の属する月の前月1日以降に発行されたものに限ります。秋田市の要領には、納税証明書の発行日の期間は書かれていません(登記事項証明書は申請日前3か月以内)。申請日が先に延びるほど、期間から外れるおそれが出ます。
納税証明書の種類の違いは納税証明書の種類の記事で説明しています。国のシステムで不受理になる条件は納税証明書が不受理になったときで整理しています。
実績の資料:国は入力、市は写しの提出
実績の扱いは、国と市で入口が違います。
- 国:手引きによると、建設業法の工事種別ごとの年間平均完成工事高は、申請書データに入力します。送信のときに、システムが持つ経審のデータと照合され、過不足があると受信エラーになります。このため、経審の結果通知書と同じ数字を入力する必要があります。
- 市:工事経歴書の写しなどを出す市があります。秋田市は経審で提出したものの写し、青森市は、経審を受けた業種の登録なら提出不要としています。明石市の追加申請の書類一覧には、工事経歴書がありません。
国に入力した完成工事高と、市に出す工事経歴書は、同じ経審の結果から出ているものを使えば、数字の食い違いを避けられます。この使い方は本サイトの整理で、要領に書かれた手順ではありません。個々の入札で求められる、施工実績の証明書類(コリンズの登録内容確認書、契約書の写しなど)は別の話で、入札の施工実績要件の記事で整理しています。
書類を取る順番
書類ごとに期間の決まりが違うため、早く取りすぎると使えなくなり、遅く取ると申請日に間に合いません。次の順で進めると、二度集めるのを避けやすくなります。順番は本サイトの整理であり、要領が定めた順序ではありません。
- 経審の結果通知書で、有効期間と最新かどうかを確かめる:国は令和7年6月16日以降を審査基準日とする最新のもの、市は審査基準日から1年7か月以内などの条件です。通知書が届いたばかりなら、国のシステムへの反映に約2週間かかることがあります。詳しくは経審の結果通知書の使われ方にあります。
- 申請先の一覧を作り、発行日の条件を書き出す:国は納税証明書その3等が送信日の3か月前まで、秋田市と青森市は登記事項証明書が申請日前3か月以内、明石市は前月1日以降です。申請日の予定を並べると、いつまでに取れば全部の条件を満たすかが見えます。
- 国税の納税証明書をまとめて請求する:国向けにその2、全宛先向けにその3の3(法人)を請求します。複数の宛先に写しを使うので、必要な枚数を先に決めます。e-Taxで請求する方法は国の手引きにも案内があります。
- 登記事項証明書を請求する:3市のうち申請日が最も早い宛先の条件に合わせて取ります。発行日が条件を外れそうなら、取り直します。
- 市ごとの書類を足す:市税の証明や完納証明、工事経歴書、技術職員名簿など、市独自のものです。市税の完納証明書は、明石市では窓口で1件300円の手数料がかかり、領収証書の原本が必要な場合があります。
- 提出する:国は電子で送信します。市は、たとえば明石市の追加申請は郵送のみ(要領の記載)と、方式が違います。国の受付期間は、納税証明書の送信と申請書データの作成が令和8年11月2日から令和9年1月15日までです。市の受付日程は、申請先の要領で確かめます。
申請書データの準備がどこまで済んでいるかは、準備チェックの「申請書データの作成・受付」で、済み・まだ・分からないを選んで記録できます。国の申請の順番は一元受付の申請手順、各市の違いは自治体ごとの入札参加資格と経審の一覧から確かめられます。
確認した一次資料
- 国土交通省「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き」(インターネット編・令和9・10年度版)納税証明書の様式と証明年月日、経審の条件、年間平均完成工事高の照合、受付期間(確認日 2026-10-19)
- 秋田市の令和8年度市内工事業者用の建設工事入札参加資格審査申請要領提出書類の区分、納税証明書、登記事項証明書、工事経歴書(確認日 2026-10-19)
- 青森市の競争入札参加資格審査の提出要領書類一覧表の納税証明書、登記事項証明書、通知書の写しの備考(確認日 2026-10-19)
- 明石市の競争入札等参加資格審査の追加申請要領(建設工事)申請書類一覧表、発行日の条件、市税完納証明書(確認日 2026-10-19)
まとめ
- 国税の納税証明書は、国と3市のいずれも写しで足りる。法人なら、その3の3が国と3市に共通して使える。
- 国だけ、法人税の所得金額を示すその2が必須で、請求する種類が1つ増える。
- 発行日の条件は、国は送信日の3か月前まで、秋田市と青森市の登記事項証明書は申請日前3か月以内、明石市は受付日の属する月の前月1日以降と、宛先で違う。
- 経審の結果通知書は、国はシステムのデータ、市は写しの提出。実績は、国は完成工事高の入力、市は工事経歴書の写し。
- 市税の証明や完納証明は市ごとの書類で、条件は市内に本店などがあるかで変わる。自分の申請先の要領で確かめる。
この記事は書類の整理で、書類の可否や有効期間の最終判断は、国土交通省の手引きと各自治体の申請要領が優先します。不明な点は申請先の窓口に確認してください。
よくある質問
- 国と自治体の入札参加資格で、同じ納税証明書を使えますか?
- 国の手引きと、確認した秋田市・青森市・明石市の要領は、いずれも国税の納税証明書を写しで足りるとしています。法人ならその3の3が国と3市に共通して使えます。ただし国にはその2も必須で、発行日の条件も宛先ごとに違うため、申請先の要領で確かめてください。
- 納税証明書や登記事項証明書は、いつ発行したものまで使えますか?
- 国の手引きは、納税証明書その3等の証明年月日が送信日の3か月前までのものとしています。秋田市と青森市は登記事項証明書が申請日前3か月以内、明石市は受付日の属する月の前月1日以降の発行です。自治体ごとに違うため、申請先の要領で確かめてください。
- 経審の結果通知書は国にも自治体にも提出しますか?
- 国の一元受付では通知書そのものは送らず、システムが持つ最新の総合評定値通知書のデータが使われます。確認した3市は通知書の写しの提出を求めています。市によって、有効期間の条件や、写しの提出で省ける書類が違います。
- 国と市で実績の資料はどう違いますか?
- 国では工事種別ごとの年間平均完成工事高を申請書データに入力し、経審のデータと照合されます。市は工事経歴書の写しを求める市があり、秋田市は提出、青森市は経審を受けた業種なら不要です。
公開日: 2026-10-19
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