暴力団排除の誓約書と役員名簿|入札参加資格の申請で出す内容
自治体の入札参加資格の申請で求められる暴力団排除の誓約書と役員名簿について、根拠の法令、誓約書に書く内容、誰の名前で出すか、役員名簿の記載事項を、吹田市と大田原市の公式資料から整理します。
地方自治法施行令第167条の4・暴力団対策法第32条・吹田市・大田原市の公式資料自治体の入札参加資格の申請には、暴力団員などに当たらないことを誓う書類と、役員の一覧を添えるところが多くあります。書式と記入者は自治体ごとに決まっているため、先に自治体の要領で「誰の名前で何を書くか」を確かめます。
この記事は、法令の定めと、吹田市・大田原市の2市の公式資料で確認できた内容だけをまとめます。他の自治体は書式が異なる場合があります。申請する自治体の要領が優先されます。
誓約書を求める根拠の法令
自治体が暴力団員などを入札に参加させない理由は、国の法律と自治体の条例の両方にあります。
- 地方自治法施行令第167条の4第1項:普通地方公共団体は、特別の理由がある場合を除き、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)第32条第1項各号に掲げる者を、一般競争入札に参加させることができません。
- 暴力団対策法第32条第1項:国と地方公共団体は、指定暴力団員、その配偶者(生計を一にする場合)、指定暴力団員が役員となっている法人、指定暴力団員が事業に支配的な影響力を持つ者を、入札に参加させない措置を講ずるものとされています。
- 自治体の条例:吹田市は「吹田市暴力団の排除等に関する条例」第8条で、暴力団員や暴力団密接関係者に入札参加資格を与えないことを定めています。同条第2項は、入札の参加者に、暴力団員や暴力団密接関係者でない旨の誓約書の提出や必要な事項の報告を求められると書いています。
誓約書に書かれる内容
書式は自治体が指定します。大田原市の「暴力団排除に関する誓約書」(令和8年度の申請用)には、おおむね次の内容があります。
- 役員等が暴力団に当たらない:役員等(法人は役員と、支店や契約を結ぶ事務所の代表者、個人は本人)が、暴力団、暴力団員、暴力団員に事業を実質的に支配されている者などの8項目のいずれにも当たらないこと。
- 下請に使わない:暴力団等を下請契約等の相手方にしないこと。
- 知ったら解除する:下請の相手が暴力団等と分かったときは、その契約を解除すること。
- 不当な要求は報告する:自社や下請が暴力団等から不当な要求を受けたときは、市に報告し、警察に通報すること。
- 虚偽の場合の扱い:誓約に虚偽があったり反したりしたときは、入札参加資格を失うことに同意すること。
吹田市は、同じ趣旨の誓約書(様式15)を、暴力団員と暴力団密接関係者に当たらない旨の書類として定めています。暴力団密接関係者は、大阪府暴力団排除条例施行規則第3条の定義で、暴力団や暴力団員を自己や第三者の利益のために利用した者などを指します。詳しい定義は吹田市の要領の13ページにあります。
誰の名前で出すか
2市の書式を見比べると、書く欄は同じ形です。
| 項目 | 吹田市(様式15) | 大田原市 |
|---|---|---|
| 名義 | 本社(本店)の所在地、商号又は名称、代表者の役職名・氏名 | 住所又は所在地、商号又は名称、代表者職・氏名 |
| 押印 | 実印(印鑑証明書の印) | 実印 |
| 日付 | 提出する日を必ず記入 | 令和 年 月 日の欄(提出日を記入) |
どちらの市でも、代表者の名前で、実印を押して出します。支店長などが代表者に代わって出せるかどうかは、この2市の資料では確認できません。申請する自治体の要領で確かめます。
役員名簿の記載事項
大田原市の「役員名簿」の書式は、商号又は名称、所在地を書いたうえで、役職名、氏名、住所、備考の4列に、役員1人を1行で書く形です。注意書きには次の2点があります。
- 法人の場合は、代表役員(代表者を含む)と一般役員を書く。
- 個人の場合は、事業主と、事業に携わっている家族を書く。
この書式の下には、市税等の納付状況を市が調べることへの「同意書」も付いています。代表者と役員それぞれが名前を書いて印を押す欄があります。誓約書の暴力団排除の内容とは別で、市税の納付状況を調べるための同意です。
吹田市の要領では、事業協同組合等の申請者に限り、定款、役員名簿、組合員全員の名簿などを提出書類に加えるとしています。通常の法人の提出書類として役員名簿を挙げているわけではないため、自治体によって役員名簿が必要かどうかは異なります。
出す前に確かめること
- 自治体の指定様式があるか:吹田市は誓約書を「本市指定様式」と明記しています。自分の会社の書式で作らず、自治体が配る様式を使います。
- 代表者の実印か:吹田市は印鑑証明書の印です。印鑑証明書の添付が要るかは、書類点検表で確かめます。
- 日付が提出日か:吹田市は、提出する日を必ず書くよう求めています。古い日付の使い回しはしません。
- 役員が最新か:役員の就任・退任があった場合は、名簿と登記の内容が合うようにします。決算変更届や変更届の役員の扱いは変更届で役員・営業所・専任技術者に関わる書類で整理しています。
- 申請先と提出先が同じか:大田原市の個別書類は、栃木県のとりまとめで提出し、大田原市へ直接送っても受け付けられないと案内されています。提出先は大田原市の入札参加資格で確かめられます。
誓約書の内容は、落札後の契約でも続く約束です。下請に使う会社も暴力団等に当たらないことが前提です。契約時の書類は公共工事の契約保証の種類と免除の条件で整理しています。
確認した一次資料
- 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4一般競争入札の参加者の資格(2026-10-17確認)
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 第32条国及び地方公共団体の責務(2026-10-17確認)
- 吹田市「建設工事入札参加資格申請要領」PDF参加資格要件(5)、条例第8条、誓約書(様式15)の記入欄、事業協同組合等の提出書類(2026-10-17確認)
- 大田原市「入札参加資格審査申請(令和8・9年度)」個別提出書類の一覧(2026-10-17確認)
- 大田原市「暴力団排除に関する誓約書」PDF誓約の8項目、下請・通報・虚偽の扱い(2026-10-17確認)
- 大田原市「役員名簿」PDF記載4列、法人・個人の記載範囲、同意書(2026-10-17確認)
この記事は2市の公式資料を整理したものです。他の自治体の書式、記入者、提出する書類は、申請する自治体の要領が優先されます。誓約の内容に迷う場合は、申請先の契約担当へ確かめてください。
まとめ
- 誓約書の根拠は、地方自治法施行令第167条の4と暴力団対策法第32条、自治体の条例。
- 内容は、暴力団等に当たらないこと、下請に使わないこと、不当な要求の報告、虚偽の場合の資格喪失への同意。
- 吹田市・大田原市ともに、代表者の名前で実印を押して出す。日付は提出日。
- 役員名簿は、役職名・氏名・住所・備考。法人は代表役員と一般役員、個人は事業主と事業に携わる家族(大田原市)。
次に知りたいこと:大田原市の入札参加資格、吹田市の入札参加資格、公共工事の契約保証の種類と免除の条件
よくある質問
- 暴力団排除の誓約書は、何のために出しますか?
- 地方自治法施行令第167条の4は、暴力団対策法第32条第1項各号に掲げる者を一般競争入札に参加させられないと定めています。自治体は条例でも暴力団員等に入札参加資格を与えないことを定め、吹田市の条例第8条第2項は誓約書の提出を求められると書いています。
- 誓約書には何が書かれていますか?
- 大田原市の誓約書は、役員等が暴力団や暴力団員などの8項目に当たらないこと、暴力団等を下請にしないこと、下請が暴力団等と分かったら契約を解除すること、不当な要求を受けたら市に報告し警察に通報すること、虚偽や違反があれば入札参加資格を失うことに同意することを書いています。
- 誓約書は誰の名前で出しますか?
- 吹田市の様式15も大田原市の様式も、所在地、商号又は名称、代表者の役職名・氏名を書き、実印(吹田市は印鑑証明書の印)を押します。吹田市は日付に提出する日を書くよう求めています。
- 役員名簿には何を書きますか?
- 大田原市の書式は、役職名、氏名、住所、備考を役員1人1行で書きます。法人は代表役員と一般役員、個人は事業主と事業に携わっている家族を書く注意書きがあります。役員名簿を出すかどうかは自治体ごとに異なります。
公開日: 2026-10-17
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