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建設工事の電子契約の条件|施行規則第13条の4と国交省ガイドラインの3要件

建設工事の請負契約を電子で結ぶときの条件を、建設業法施行規則第13条の4と、国土交通省の令和7年のガイドラインに沿って整理します。事前承諾、電子署名とタイムスタンプ、国の工事で使う電子契約システムの案内も説明します。

建設業法施行規則・国土交通省ガイドライン
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト)/確認日:2026年10月15日

結論として、建設工事の請負契約は、相手方の事前承諾を得たうえで、施行規則第13条の4の措置を、見読性・原本性・本人性の3つの技術的基準に合わせて講じれば、電子で結べます。「どのサービスを使えばよいか」の前に、この条件を確かめる必要があります。この記事は、建設業法施行規則が定める措置と技術的基準、国土交通省ガイドラインが示す事前承諾の手順、電子署名の方式の違いを整理します。契約書の記載事項は別の記事に分けています。

施行規則が認める電子の措置(第13条の4第1項)

建設業法第19条第3項は、書面の交付に代えて、相手方の承諾を得て情報通信の技術を利用する措置を講じることを認めています。その措置の中身は、施行規則第13条の4第1項が次の4つに分けて定めています。

号措置
第1号イ当事者と相手方の電子計算機を回線でつなぎ、契約事項等を送信して、相手方の受信者ファイルに記録する
第1号ロ当事者側のファイルにある契約事項等を相手方の閲覧に供し、相手方の受信者ファイルに記録する
第1号ハ当事者側の受信者ファイルにある契約事項等を、回線を通じて相手方の閲覧に供する
第2号電磁的記録媒体(CDなど)に契約事項等を記録して交付する

「契約事項等」とは、法第19条第1項の記載事項と、その変更の内容です。追加工事や設計変更の書面(第19条第2項)も同じ措置で行えます。ロとハでは、ファイルに記録した旨を相手方へ通知することが求められます。ただし、相手方が閲覧していたことを確認したときは、通知は要りません(同条第3項)。

3つの技術的基準(第13条の4第2項)

上の措置は、次の3つの技術的基準に合うものでなければなりません。国土交通省ガイドラインは、これを見読性・原本性・本人性と呼んでいます。

基準条文の要件ガイドラインが述べていること
見読性(第1号)相手方がファイルの記録を出力して書面を作れる記録をすぐ取り出せるよう、管理や検索機能が望ましい。契約成立後は自分の端末に電子データを保存することが望ましい
原本性(第2号)改変が行われていないかを確認できる措置を講じている公開鍵暗号方式による電子署名、タイムスタンプ、またはこれらと同等と認められる方法を使う必要がある
本人性(第3号)相手方が本人であることを確認できる措置を講じている電子署名を使うときは、第三者機関が発行する電子証明書を添付することが望ましい
原本性は「必要がある」、見読性の保存や本人性の電子証明書は「望ましい」と書き分けられています。

先に必要な相手方の事前承諾

ガイドラインは、電子契約を結ぶ前に、次の2つを順に行う必要があるとしています。

  1. 電磁的措置の種類と内容を相手方に示す。第13条の4第1項のどの措置を使うかを示します。サービスの名称も示すことが望ましいとされています。あわせて、ファイルへの記録の方式(PDFなどのデータ形式、ソフトウェアの形式やバージョン、電子署名またはタイムスタンプの形式)を示す必要があります。
  2. 書面または電磁的方法で、相手方の承諾を得る。承諾の取り方には、書面、電子メールやクラウドサービスなどのコンピュータ・ネットワークを使う方法、電磁的記録媒体を使う方法があります(施行規則第13条の6)。

元請と下請、発注者と元請のように、契約の相手方が変わるたびに、この承諾が要ります。

電子署名の方式と事業者署名型

ガイドラインは、電子署名の方式を次の3つに分けて説明しています。

方式署名のしかた
当事者署名型(ローカル署名)当事者が自分の署名鍵で、第三者を介さずに契約する
当事者署名型(リモート署名)当事者が自分の署名鍵で、第三者の契約サービスを介して契約する
事業者署名型(立会人型)契約サービスを出す第三者の署名鍵で、そのサービスを介して契約する

事業者署名型は、契約当事者が自分で電子署名を付けるわけではありません。そのためガイドラインは、サービスが「技術的・機能的に見て、サービス提供事業者の意思が介在する余地がなく、利用者の意思のみに基づいて機械的に暗号化されたものであることが担保されていると認められる」ものであることを、原本性の要件を満たす条件としています。本人性については、2要素認証などを使うことが望ましいとしています。

使うサービスがこの条件に当たるかは、サービス提供事業者の説明資料で確かめることになります。当サイトはサービスを比較・推薦しません。

国の工事で使う電子契約システム

国土交通省の地方整備局が発注する工事では、国土交通省の電子契約システム(GECS)が使われています。中国地方整備局の案内ページには、「電子契約システムは、令和元年8月1日から運用を開始しました」とあります。同ページによると、同整備局では令和2年度から全ての工事・業務契約で電子契約を行い、対象案件は入札公告と入札説明書に明示されます。紙の契約書を希望する場合は、落札決定後に「紙契約方式承諾願」を出します。

利用には、電子入札システムで使うICカードと、電子契約システムでの利用者登録が必要です。同ページは、電子署名を付けた電子契約書をインターネットで提出でき、印紙税の納付が不要になる等の効果が期待されるとしています。

この取扱いは、中国地方整備局のページの記載です。他の発注機関や自治体の工事は、それぞれの入札公告で電子契約の対象かどうかを確かめてください。

経審・コリンズで使えるかは別に確かめる

契約書は、経営事項審査の確認書類や、コリンズ(CORINS)の受注登録の元資料として後で使います。電子契約で結んだ契約書がこれらに使えるかについて、今回確かめた国土交通省とJACICの公式ページには、明記した箇所を見つけられませんでした。当サイトは使える・使えないを断定しません。

  • 経審:確認書類の扱いは、申請先の行政庁の手引きに従います。電子データの確認書類の出し方は、申請先の窓口に確かめてください。
  • コリンズ:JACICの受注登録の案内は、登録前に工事請負契約書で件名、請負金額、工期等を確認するよう求めています。電子契約書でも、記載内容を確かめる点は同じです。

次に知りたいこと

確認した一次資料

法令の1件目は、同じ法令の条文ページ(e-Gov法令検索)へのリンクです。条番号で該当の条を開いてください。

まとめ

  1. 電子契約の措置は施行規則第13条の4第1項の4種類。見読性・原本性・本人性の3つの技術的基準に合う必要がある。
  2. 結ぶ前に、措置の種類とファイルの記録方式を示し、相手方の承諾を得る。
  3. 原本性は電子署名かタイムスタンプ等が必要。事業者署名型は機械的に暗号化される条件がある。
  4. 国の工事は電子契約システムを使う案件がある。対象かどうかは入札公告で確かめる。
  5. 経審やコリンズで電子契約書が使えるかは、申請先・JACICの案内で別に確かめる。

この記事は公式資料の整理です。個別の契約や使うサービスが条件に合うかは、許可を受けた行政庁や専門家に確認してください。当サイトの試算は本人利用の概算で、正式な評点は審査結果が優先します。

よくある質問

建設工事の請負契約を電子契約で結ぶ条件は何ですか?
相手方の承諾を得たうえで、施行規則第13条の4第1項の措置を講じ、同条第2項の見読性・原本性・本人性の技術的基準に合わせる必要があります。
電子契約の前に相手方の承諾は必要ですか?
必要です。国土交通省のガイドラインは、電磁的措置の種類と内容を示したうえで、書面または電磁的方法で相手方の事前承諾を得る必要があるとしています。
電子署名は必ず必要ですか?
ガイドラインは、改ざんの確認(原本性)のため、公開鍵暗号方式による電子署名、タイムスタンプ、またはこれらと同等と認められる方法を使う必要があるとしています。
国の工事の契約も電子でできますか?
国土交通省の電子契約システムがあり、中国地方整備局のページでは令和元年8月1日から運用を開始し、対象案件は入札公告で明示されるとしています。他の発注機関は入札公告で確かめてください。

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