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建設工事の請負契約書の印紙税|税額表・記載金額の見方・電子契約の扱い

建設工事の請負契約書や注文請書にかかる印紙税について、税額(本則と令和9年3月31日までの軽減措置)、消費税を区切って書いたときの記載金額、変更契約書の記載金額、電子契約で課税されない理由を、国税庁の案内で整理します。

国税庁タックスアンサー・質疑応答事例で確認
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

工事を受注するたびに、契約書や注文請書に貼る印紙の金額を確かめる場面があります。国税庁の案内では、工事請負契約書や工事注文請書は印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に当たります。この記事は、税額の見方、記載金額の考え方、電子契約との関係を国税庁の案内に沿って整理するものです。個別の取引の税額は、税務署などに確かめてください。契約書に書く事項そのものは『建設工事の請負契約書の記載事項』で確認できます。

課税される文書:第2号文書

国税庁のタックスアンサー(No.7102)は、請負を「当事者の一方がある仕事の完成を約し、相手方がこれに報酬を支払うことを約束することによって成立する契約」とし、請負についての契約書は印紙税額一覧表の第2号文書に当たると説明しています。具体例として、工事請負契約書と工事注文請書が挙げられています。

営業者の間で継続する複数の取引の基本的な取引条件を定める契約書は、第7号文書「継続的取引の基本となる契約書」に当たることがある、とも書かれています。基本契約書と個別の注文書・請書を分けている会社は、どの文書がどの号かを税務署に確かめると確実です。

税額:本則と建設工事の軽減措置

税額は契約書に記載された契約金額で決まります。建設工事の請負契約書で、記載された契約金額が100万円を超えるものは、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成するものについて、税額が軽減されています(国税庁 No.7108)。

記載された契約金額本則の税額建設工事の軽減後の税額
1万円未満非課税
1万円以上100万円以下200円軽減の対象外(200円)
100万円を超え200万円以下400円200円
200万円を超え300万円以下1,000円500円
300万円を超え500万円以下2,000円1,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円1万円
5,000万円を超え1億円以下6万円3万円
1億円を超え5億円以下10万円6万円
契約金額の記載のないもの200円―

5億円を超える区分は、国税庁の一覧表で確認してください。軽減措置は、契約書に建設工事以外の請負(設計など)が併記されていても、建設工事の請負に関する契約に基づく契約書であれば全体が対象になります(No.7108)。軽減の期限は令和9年3月31日で、その後の扱いは国税庁の案内で確かめてください。

記載金額の考え方:消費税の区分記載と変更契約書

消費税額を区分して書いたとき

請負契約書に、消費税および地方消費税の金額が区分して記載されているとき、または税込価格と税抜価格の両方が書かれていて消費税額が明らかなときは、その消費税額は記載金額に含めません(国税庁 No.7124)。たとえば、広告の請負契約書の例で「請負金額1,100万円うち消費税額等100万円」と書けば、記載金額は1,000万円として扱われます。一方、「消費税額等10パーセントを含む」や「(税込)」とだけ書いた場合は消費税額が明らかとは言えないため、税込の金額が記載金額になる、と説明されています。

金額の書き方で税額の区分が変わることがあります。契約書の様式を決めるときは、税抜価格と消費税額を分けて書く方法を使うかどうかを、確認しておく価値があります。

設計変更で金額が変わる変更契約書

工事の途中で契約金額を変える変更契約書の記載金額は、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかかどうかで扱いが分かれます(国税庁 No.7123)。

変更契約書の書き方記載金額
変更前の契約書を特定できる記載があり、変更金額(増額)が分かる増加した金額
同上で、変更金額が減額記載金額なし
同上で、変更後の金額だけが書かれ、変更金額が明らかでない変更後の金額
変更前の契約書を特定できる記載がなく、変更後の金額が分かる変更後の金額

変更契約書がそもそも課税文書になるかは、変更する内容に「重要な事項」が含まれるかどうかで決まります(No.7127)。何が重要な事項に当たるかは、国税庁のパンフレット(印紙税の手引)で文書の種類ごとに例示されています。設計変更の協議の進め方は『公共工事の設計変更と工期延長の協議の進め方』を参照してください。

電子契約なら印紙税は課税されない

国税庁の質疑応答事例は、建設工事を請け負う会社が、書面の注文請書の代わりに、受注する旨や請負内容を記録した電磁的記録に電子署名を付して、取引先へ電子メールで送った場合を取り上げています。回答は、印紙税の課税対象になるのは課税物件表に掲げられた文書であり、電磁的記録は文書に含まれないため、電磁的記録に印紙税は課税されない、というものです。

この回答は、照会に記載された事実関係を前提にした一般的な内容です。書面で作った契約書や、紙に出力して交付するものの扱いは別に確かめる必要があります。電子契約を使うための条件や社内の事務は『建設工事の電子契約の条件と事務』で整理しています。

契約のたびの確認順

  1. その文書は、紙か電磁的記録かを確かめる(電磁的記録なら印紙税は課税されない、という国税庁の回答)。
  2. 紙なら、請負に関する契約書(第2号文書)に当たるか確かめる。基本契約書は第7号文書の可能性がある。
  3. 契約金額が記載されているかを確かめる。消費税額が明らかな書き方なら、消費税額を除いた額が記載金額になる。
  4. 建設工事の請負契約書なら、令和9年3月31日までの軽減後の税額で見る。
  5. 変更契約書なら、変更前の契約書を特定できる記載があるか、増額か減額かで記載金額を見る。
  6. 判断に迷うときは、国税庁のタックスアンサーを読み、税務署に確かめる。

確認した一次資料

確認日:2026年10月15日(国税庁のタックスアンサーは令和8年4月1日現在の法令等に基づく)。税額や軽減措置の期限は改正されることがあります。

まとめ

  • 工事請負契約書と工事注文請書は、印紙税の第2号文書。税額は記載された契約金額で決まる。
  • 建設工事の請負契約書で100万円を超えるものは、令和9年3月31日までの作成分について税額が軽減されている。
  • 消費税額が明らかな書き方なら、記載金額から消費税額を除く。「税込」とだけ書くと税込の金額で見られる。
  • 変更契約書は、変更前の契約書を特定できるか、増額か減額かで記載金額が変わる。
  • 電磁的記録は文書に含まれず、印紙税は課税されないという国税庁の回答がある。

この記事は国税庁の公開情報の整理で、個別の契約書の課税の可否や税額を判断するものではなく、税務の助言もしません。判断は税務署などに確認してください。正式な評点は審査結果が優先します。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

建設工事の請負契約書は印紙税の何号文書ですか?
国税庁のタックスアンサー(No.7102)では、工事請負契約書や工事注文請書は印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に当たります。
建設工事の請負契約書の印紙税は軽減されていますか?
記載された契約金額が100万円を超える建設工事の請負契約書は、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成するものについて税額が軽減されています(国税庁 No.7108)。たとえば1,000万円超5,000万円以下は、本則2万円が1万円です。
消費税は記載金額に含まれますか?
消費税額等が区分記載されている、または税込価格と税抜価格の両方が書かれていて消費税額が明らかなときは、記載金額に含めません。「税込」とだけ書いた場合は税込の金額が記載金額になります(国税庁 No.7124)。
契約金額を変更する契約書の記載金額は?
変更前の契約書を特定できる記載があり、増額の変更金額が分かるときは増加した金額、減額のときは記載金額なしです。変更後の金額のみが書かれているときは変更後の金額になります(国税庁 No.7123)。
電子契約なら印紙は不要ですか?
国税庁の質疑応答事例は、建設工事の注文請書に代えて電子署名を付した電磁的記録をメールで送る場合、電磁的記録は課税物件表の文書に含まれず、印紙税は課税されないと回答しています。個別の取引への当てはめは税務署に確認してください。

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