認定を受けたあとの手続き

入札参加資格の使用印鑑届|代表者・受任者が替わるときの出し直し(京都市・神戸市・薩摩川内市)

自治体の入札参加資格で、使用印鑑届が必要になる場面を3市の公式案内で比べます。代表者の交代、受任者の変更、印鑑そのものの変更で、添付する書類がどう変わるかを整理しました。

3市の公式案内で確認
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

使用印鑑届は、入札や契約の書類に押す印鑑を、あらかじめ発注者に届けておく書類です。代表者が替わったとき、受任者(契約の権限を任せる支店長など)を置いたり替えたりしたとき、印鑑を作り替えたときに、出し直しが必要になる自治体があります。

この記事で確かめたのは、京都市・神戸市・薩摩川内市の公開資料です。必要な書類、様式、提出先は自治体ごとに違うため、他の自治体の取扱いは各自治体の案内で確認してください。国土交通省の地方整備局等の変更届は、別の記事で説明しています。

使用印鑑届と実印・受任者の関係

入札参加資格の印鑑には、法務局に登録した実印(代表者印)と、入札や契約で実際に使う使用印鑑があります。受任者を置く場合は、受任者が使う印鑑も届け出ます。

京都市は、受任者を置く場合は「委任状兼使用印鑑届」、置かない場合は「使用印鑑届」の、どちらかの書式で提出するとしています。印鑑は、代表者本人が使うか、受任者が使うかで、届ける書式が変わります。

届け出る印鑑は、実印・使用印鑑・受任者の印鑑の3種類です。どれが替わったのかを先に特定すると、必要な書類を絞れます。

変更の場面ごとの提出書類(京都市・神戸市)

京都市と神戸市は、変更の場面ごとに添付する書類の一覧を公表しています。同じ「代表者の変更」でも、求める書類が違います。

変更の場面ごとの提出書類(法人の場合)
変更の場面京都市神戸市
代表者の変更変更届、履歴事項全部証明書、印鑑証明書、使用印鑑届(または委任状兼使用印鑑届)変更届に、履歴事項全部証明書か印鑑証明書のどちらか1つ
実印(代表者印)の変更変更届、印鑑証明書、使用印鑑届(または委任状兼使用印鑑届)変更届に、印鑑証明書
使用印鑑(使用印・併用印)の変更変更届、使用印鑑届(または委任状兼使用印鑑届)変更届のみ(添付書類は不要)
受任者の新規設定・変更・削除変更届、委任状兼使用印鑑届変更届のみ(添付書類は不要)

京都市の資料は、使用印鑑届を指定様式の別書類として一覧に載せています。神戸市の資料は、使用印鑑の変更を変更届の1項目として扱い、添付書類を不要としています。表は両市の一覧から該当する行だけを抜き出したものです。

共通する注意点

  • 履歴事項全部証明書と印鑑証明書は、発行から3か月以内のものを出します。京都市は写しも可としています。
  • 京都市は、代表者や受任者の「役職名」だけが変わったときも、同じ書類が必要としています。
  • 神戸市は、変更届の届出者を代表者とし、代表者が替わるときは変更後の代表者名にするとしています。
  • 神戸市は、印鑑の押印が不鮮明だと、押し直しを求めることがあるとしています。

印鑑を変えたときだけ出す自治体(薩摩川内市)

薩摩川内市の変更届の案内には、「使用印鑑届は、印鑑を変更した場合のみ提出してください」と書かれています。代表者が替わっても、印鑑を変えなければ使用印鑑届は求められていません。

委任状についても、受任者を変更するときは必ず出し、商号・所在地・代表者を変更するときは、委任がある場合だけ出す扱いです。京都市のように、代表者の変更で毎回使用印鑑届を求める自治体とは考え方が違います。

代表者の交代で使用印鑑届が必要かどうかは自治体によって違い、京都市は毎回、薩摩川内市は印鑑を変えたときだけです。

国の資格の場合は

国土交通省の地方整備局等の競争参加資格では、手引き(令和7・8年度版)が、代表者印の変更を変更届が不要な事項に挙げています。自治体の資格とは扱いが違うため、国と自治体を同じ手順で処理しないようにします。

国の変更届が必要な事項と添付書類は『国交省入札参加資格の変更届』で説明しています。令和9・10年度の手引きでは取扱いが変わる可能性があるため、申請の前に最新の手引きを確認してください。

電子入札のICカードも替わる場合

神戸市は、電子入札用の電子証明書(ICカード)について、入札参加資格者名簿に載っている人を名義人にしたカードが必要としています。代表者(受任者を置いている場合は受任者)が替わると、認証局から新しいICカードを入手する必要があります。

変更届を出したあとでも、新しいICカードを本登録するまで、電子入札システムにはログインできません。直近に入札案件がある場合は、事前に契約の担当課へ相談するよう案内されています。カードの更新は『電子入札のICカードの更新』も参考になります。

確認した一次資料

本記事は公表されている案内の紹介です。届出書の作成や提出の代行、個別の相談は行っていません。正式な取扱いは申請先の案内が優先します。

まとめ

  1. 使用印鑑届は、実印・使用印鑑・受任者の印鑑のどれが替わったかで、必要な書類が決まる。
  2. 京都市は、代表者の変更で使用印鑑届(または委任状兼使用印鑑届)を毎回求める。
  3. 神戸市は、使用印鑑と受任者の変更は変更届のみで、実印の変更は印鑑証明書を添える。
  4. 薩摩川内市は、使用印鑑届を印鑑を変更した場合のみ求める。
  5. 国の資格は代表者印の変更が届出不要で、自治体とは扱いが違う。

次に知りたいこと:『国交省入札参加資格の変更届』/『社名変更・本店移転・代表者変更の届出の順番と期限』/『電子入札のICカードの更新』

よくある質問

代表者が替わったら使用印鑑届を出し直しますか?
自治体によって違います。京都市は代表者の変更で使用印鑑届(受任者を置く場合は委任状兼使用印鑑届)を求め、薩摩川内市は印鑑を変更した場合のみ提出としています。
使用印鑑届と委任状兼使用印鑑届はどう使い分けますか?
京都市は、受任者を置く場合は委任状兼使用印鑑届、置かない場合は使用印鑑届のどちらかの書式で提出するとしています。
使用印鑑だけを変えるときの添付書類は何ですか?
神戸市は変更届のみで添付書類は不要としています。京都市は変更届と使用印鑑届(または委任状兼使用印鑑届)を求めています。
実印(代表者印)を変えるときは印鑑証明書が必要ですか?
京都市と神戸市はどちらも印鑑証明書を求めています。発行から3か月以内のものを出します。京都市は写しも可としています。
代表者が替わると電子入札のICカードも作り直しますか?
神戸市は、代表者(受任者を置く場合は受任者)が替わると新しいICカードが必要で、本登録するまで電子入札システムにログインできないとしています。

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