入札が無効になる場合の一覧|国の入札心得第6条の11項目と、開札後に無効となる4つ
入札書の記名漏れ、金額の訂正、期限後の到着、委任状の不備などで入札が無効になる場合を、関東地方整備局の競争契約入札心得の原文で整理し、応札前の確認表にします。
関東地方整備局競争契約入札心得で確認入札参加資格を取ったあとの最初の応札では、書類の小さな不備で入札そのものが無効になることがあります。国の工事の入札では、無効になる場合が「入札心得」に列挙されています。この記事では、関東地方整備局の競争契約入札心得の第6条を、応札前の確認表として読み直します。
入札心得の文面は発注機関ごとに少しずつ異なります。実際の応札は、案件の公告と、発注機関の入札心得・契約規則で確認してください。この記事は、関東地方整備局の入札心得の整理です。
入札心得第6条第1項の11項目
関東地方整備局の競争契約入札心得は、第6条で「無効の入札」を定めています。次のいずれかに当たる入札は、無効とされます。
| 号 | 無効になる入札(原文の趣旨) | 事務での確認先 |
|---|---|---|
| 一 | 競争に参加する資格を有しない者のした入札 | 公告に書かれた参加資格(業種・等級・地域要件など)と、自社の資格の通知書 |
| 二 | 入札書の提出期限後に到達した入札 | 公告の提出期限と提出方法。郵送は到着が基準になるため日数を見込む |
| 三 | 委任状を提出しない代理人のした入札 | 代理人が入札書を出すときの委任状 |
| 四 | 所定の入札保証金、又はそれに代わる担保を納付・提供しない者のした入札 | 入札保証金の要否。免除される場合もある |
| 五 | 入札書に添付を求められた工事費内訳書その他の資料を出さない、又は不備のある資料を出した者のした入札 | 公告で求められた添付資料の一覧 |
| 六 | 記名を欠く入札(押印を省略する場合は、責任者と担当者の氏名・連絡先の記載がない入札。電子入札では電子認証書を取得していない者のした入札) | 記名、押印、押印省略の場合の記載、電子証明書 |
| 七 | 金額を訂正した入札 | 入札金額の書き損じは、訂正せず書き直す |
| 八 | 誤字、脱字等により意思表示が不明瞭である入札 | 金額・件名・商号の読み合わせ |
| 九 | 明らかに連合によると認められる入札 | 他社と入札価格などを相談しない |
| 十 | 同一事項の入札について、他の入札参加者の代理人を兼ね、又は2人以上の代理をした者の入札 | 1人の代理人が複数社を代理していないか |
| 十一 | その他入札に関する条件に違反した入札 | 公告・入札説明書に書かれた条件の全体 |
この11項目のうち、事務担当の書類の扱いで起こりやすいのは、二・三・五・六・七・八です。資格の有無(一)は応札の前に、連合(九)と代理(十)は社内の体制の問題として、別に確認します。
開札後に無効として扱われる4つの場合
第6条第2項は、開札のあとで次のいずれかに当たることになった場合、その者の入札を無効として扱うと定めています。
- 配置予定の監理技術者等を配置できなくなったとき(契約担当官等がやむを得ない変更として承認した場合を除く)
- 入札公告等の定めで、専任の監理技術者等とは別に配置を求められた技術者を配置できないとき
- 令第86条第1項にもとづく調査など、契約担当官等が行う調査に協力しないとき
- 警察当局から、暴力団員が実質的に経営を支配する業者などとして、国土交通省発注工事等からの排除要請があったとき
1つめと2つめは、応札のときに配置予定の技術者を決めておく意味を示しています。技術者の配置の考え方は『配置予定技術者の変更』で扱っています。
提出方法の定め(持参・郵送・電子)
同じ入札心得の第4条は、入札書の出し方を次のように定めています。
| 方法 | 定め |
|---|---|
| 共通 | 入札書は、公告・公示・指名通知書に示した方法で、提出期限までに出す。電子入札では入力画面上で作成し、書面は様式1で作る |
| 持参 | 入札書を封かんし、商号又は名称、入札件名、開札日時を書いて提出する |
| 郵送等 | 二重封筒とし、表封筒に入札書在中と朱書する。中封筒に商号又は名称、入札件名、開札日時を書き、契約担当官等あての親展で出す |
| 押印の省略 | 省略する旨を明示し、入札書の余白に「本件責任者及び担当者」の氏名・連絡先を書く。郵送では表封筒に押印省略の旨も朱書する |
| 代理人 | 委任状を提出する。他の入札参加者の代理はできない |
| 出したあと | 提出した入札書の引換え、変更、取消しはできない |
最後の行が、確認表の作り方の中心になります。出したあとに直せないため、提出の前に読み合わせる工程が要ります。郵便入札の無効の例は『郵便入札と電子入札の違い』、内訳書の不備は『工事費内訳書で入札が無効になる例』にまとめています。
応札前の確認表
ここまでの条文を、提出前に1つずつ確かめる形にします。社内の様式として写して使えます。
| 確認すること | 関係する条文 |
|---|---|
| 公告の参加資格に、自社の業種・等級・地域が合っているか | 第6条第1項第一号 |
| 提出期限に、指定の方法で到着するか(郵送は日数を見込む) | 第6条第1項第二号、第4条第2項 |
| 代理人が出す場合、委任状を付けたか | 第6条第1項第三号、第4条第6項 |
| 入札保証金が要る案件か。要るなら納付・提供したか | 第6条第1項第四号、第3条 |
| 公告が求める添付資料(工事費内訳書など)をそろえ、中身を見直したか | 第6条第1項第五号 |
| 記名があるか。押印を省略するなら、その旨と責任者・担当者の連絡先を書いたか | 第6条第1項第六号、第4条第4項 |
| 金額に訂正がないか(書き損じは書き直す) | 第6条第1項第七号 |
| 金額・件名・商号に誤字脱字がないか。2人で読み合わせたか | 第6条第1項第八号 |
| 封筒に必要な事項を書いたか(持参・郵送の場合) | 第4条第4項・第5項 |
| 配置予定の技術者を、開札後も配置できる見込みか | 第6条第2項第一号 |
入札参加資格そのものの要件は『入札参加資格の欠格要件』、電子入札の準備は『電子入札コアシステムとは』で確認できます。
まとめ
- 関東地方整備局の入札心得は、第6条第1項で11の場合を、入札が無効になる場合として列挙している。
- 期限後の到着、委任状なし、添付資料の不備、記名漏れ、金額の訂正、誤字脱字は、書類の扱いで防げる。
- 開札後でも、配置予定の技術者を置けなくなると無効として扱われることがある(第6条第2項)。
- 入札書は出したあとに引換え・変更・取消しができない。提出前の読み合わせを工程にする。
- 入札心得の文面は発注機関ごとに異なる。応札する案件の公告と入札心得を確認する。
次に知りたいことは、次の3本で確認できます。
- 郵送での出し方:郵便入札と電子入札の違い
- 添付資料の不備:工事費内訳書で入札が無効になる例
- 電子入札の準備:電子入札コアシステムとは
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。
よくある質問
- 入札書の金額を書き間違えたときは、訂正してもよいですか?
- 関東地方整備局の入札心得では、金額を訂正した入札は無効とされています。書き損じたときは訂正せず、書き直して出します。
- 入札書の提出期限に少し遅れたら、どうなりますか?
- 入札心得では、入札書の提出期限後に到達した入札は無効とされています。郵送では到着が基準になるため、日数を見込んで出します。
- 代理人が入札書を出すときに必要なものは何ですか?
- 委任状です。入札心得では、委任状を提出しない代理人のした入札は無効とされ、他の入札参加者の代理をすることもできません。
- 工事費内訳書に不備があると、入札はどうなりますか?
- 入札心得では、添付を求められた工事費内訳書などを提出しない者、又は不備のある資料を提出した者のした入札は無効とされています。
- 開札のあとで入札が無効になることはありますか?
- あります。入札心得の第6条第2項は、配置予定の監理技術者等を配置できなくなった場合などを、開札後に無効として扱う場合として定めています。
公開日: 2026-10-22
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