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建設リサイクル法の対象工事と届出|解体80㎡以上・新築500㎡以上と着手7日前の手続

建設リサイクル法で分別解体が義務になる「対象建設工事」の規模の基準と、届出の出し手・期限・届出先、受注者が発注者に行う説明、契約書への記載、工事完了後の報告を、法律と施行令の条文から整理します。

建設リサイクル法・同法施行令の条文で確認
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

解体工事や一定規模の新築工事には、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)の手続がつきます。契約書の書き方、発注者への説明、工事前の届出、工事後の報告まで、事務担当が関わる場面が多い法律です。

この記事は、公表されている条文の整理です。個別の工事が対象になるか、届出がどの様式になるかは、この記事では判断できません。迷うときは、届出先の都道府県の窓口で確認してください。

対象建設工事の規模の基準(施行令第2条)

建設リサイクル法第9条第1項は、特定建設資材を使った建築物等の解体工事や、特定建設資材を使う新築工事等で、規模が政令の基準以上のものを「対象建設工事」と呼び、分別解体等をしなければならないと定めています。規模の基準は、同法施行令第2条第1項が次のように決めています。

対象建設工事の規模の基準(建設リサイクル法施行令第2条第1項)
工事の種類基準(以上で対象)
建築物の解体工事解体する部分の床面積の合計が80平方メートル
建築物の新築・増築工事床面積の合計が500平方メートル(増築は工事に係る部分)
建築物の新築工事等のうち、上の新築・増築に当たらないもの(修繕・模様替など)請負代金の額が1億円
建築物以外(土木工作物など)の解体工事・新築工事等請負代金の額が500万円

法律の第9条第1項は「基準以上のもの」を対象としているため、床面積がちょうど80平方メートルの解体工事も対象です。

契約を分けても基準は逃れられません。施行令第2条第2項は、解体工事や新築工事等を同じ者が2つ以上の契約に分けて請け負うときは、1つの契約で請け負ったものとみなして基準を当てはめると定めています。ただし、正当な理由に基づいて分けたときは、この限りではありません。

都道府県は、条例で、この基準に代えて適用する規模の基準を定められます(法第9条第4項)。工事の場所の都道府県に、独自の基準がないかを確認してください。

対象になる特定建設資材は4種類

分別解体等の対象になる「特定建設資材」は、施行令第1条が次の4種類と定めています。

  • コンクリート
  • コンクリート及び鉄から成る建設資材
  • 木材
  • アスファルト・コンクリート

規模の基準を満たす工事でも、解体する建築物等にこれらの資材が使われていなければ、第9条第1項の対象にはなりません。新築工事等は、施工にこれらの資材を使用する場合が対象です。

届出は誰が・いつまでに・どこへ出すか

届出を出すのは、受注者ではありません。第10条第1項は、対象建設工事の発注者または自主施工者が、工事に着手する日の7日前までに、都道府県知事へ届け出ると定めています。

届出の内容と期限(法第10条)
項目条文の内容
届出する人対象建設工事の発注者または自主施工者
届出先都道府県知事
期限工事に着手する日の7日前まで
届け出る事項解体する建築物等の構造(解体工事)/使用する特定建設資材の種類(新築工事等)/工事着手の時期と工程の概要/分別解体等の計画/解体する建築物等に用いられた建設資材の量の見込み(解体工事)/その他主務省令で定める事項
変更するとき主務省令で定める事項を変更しようとするときは、その届出に係る工事に着手する日の7日前までに届け出る(第10条第2項)

届出を受けた都道府県知事は、分別解体等の計画が主務省令の基準に適合しないと認めるときは、届出を受理した日から7日以内に限り、計画の変更その他必要な措置を命じることができます(第10条第3項)。

届出の様式や添付書類は主務省令と各都道府県の案内で決まります。この記事では扱わないため、届出先の都道府県の案内を確認してください。

受注者がやること(説明・告知・契約書・報告)

届出は発注者の義務ですが、受注者にも次の義務があります。

受注者・元請業者の義務(建設リサイクル法)
場面内容条文
発注者から直接請け負おうとするとき発注者に対し、少なくとも届出事項のうち構造・資材の種類・着手時期と工程・分別解体等の計画・資材の量の見込みを、書面を交付して説明する。発注者の承諾があれば電子的な方法でもよい第12条第1項・第2項
下請に出すとき下請の建設業者に、届け出られた事項(変更があれば変更後のもの)を告げる第12条第3項
請負契約を結ぶとき建設業法第19条第1項の記載事項のほか、分別解体等の方法、解体工事に要する費用その他の主務省令で定める事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付する。下請契約も同じ。変更するときも書面で交付する第13条第1項・第2項
再資源化等が完了したとき元請業者は、発注者に書面で報告し、再資源化等の実施状況の記録を作成して保存する。発注者の承諾があれば電子的な方法でもよい第18条第1項・第3項

報告を受けた発注者は、再資源化等が適正に行われなかったと認めるときは、都道府県知事に申告できます(第18条第2項)。元請業者の完了報告と記録は、後から確認される場面を想定して、契約書や届出控えと一緒に保存しておくと探しやすくなります。

契約書の記載事項の全体は『建設工事の請負契約書の記載事項』で整理しています。

事務担当の確認順

  1. 工事が解体か新築・増築か、修繕等か、建築物か土木工作物かを、契約書の工事名と内容で確認する。
  2. 解体は床面積80平方メートル、新築・増築は500平方メートル、修繕等は1億円、建築物以外は500万円の基準以上かを確認する。契約を分けた場合は合計で見る。
  3. 解体する建築物等や新築で使う資材に、特定建設資材の4種類が含まれるかを確認する。
  4. 工事の場所の都道府県に、条例による別の基準がないかを確認する。
  5. 対象なら、発注者への書面による説明と、契約書の記載事項を用意する。
  6. 発注者の届出が着手の7日前までに出ているかを確認し、下請には届出事項を告げる。
  7. 工事が終わったら、元請は発注者への書面報告と記録の保存を行う。

解体工事を請け負う会社の登録は別の制度です。許可が要らない範囲と解体工事業の登録は『許可が要らない軽微な建設工事』で整理しています。

確認した一次資料

本記事は公表されている資料の紹介です。個別の案件への判断や相談は行っていません。実際の判断は、届出先の都道府県の案内が優先します。

まとめ

  1. 対象建設工事の基準は、解体80平方メートル、新築・増築500平方メートル、修繕等1億円、建築物以外500万円(いずれも以上)。契約を分けても合計で見る。
  2. 対象の資材は、コンクリート、コンクリートと鉄の建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4種類。
  3. 届出は発注者または自主施工者が、着手の7日前までに都道府県知事へ出す。
  4. 受注者は、発注者への書面説明、下請への告知、契約書への記載、完了後の報告と記録の保存を行う。

次に知りたいこと:『許可が要らない軽微な建設工事』/『建設工事の請負契約書の記載事項』/『施工体制台帳と再下請負通知書』

よくある質問

建設リサイクル法の対象になる工事の規模は、どれくらいですか?
施行令第2条は、建築物の解体は床面積80平方メートル、新築・増築は500平方メートル、新築等のうちそれ以外の工事は請負代金1億円、建築物以外の工事は請負代金500万円を基準としています。基準以上が対象です。
対象建設工事の届出は、誰が出しますか?
受注者ではなく、対象建設工事の発注者または自主施工者です(法第10条第1項)。届出先は都道府県知事で、工事に着手する日の7日前までに届け出ます。
契約を2つに分ければ、対象から外れますか?
外れません。施行令第2条第2項は、同じ者が2つ以上の契約に分けて請け負うときは、1つの契約で請け負ったものとみなして基準を当てはめると定めています。正当な理由に基づいて分けたときは、この限りではありません。
特定建設資材とは、何ですか?
施行令第1条が、コンクリート、コンクリートと鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4種類を定めています。
受注者は、発注者にどんな説明が必要ですか?
発注者から直接請け負おうとする建設業者は、構造や資材の種類、着手時期と工程、分別解体等の計画、資材の量の見込みを記載した書面を交付して説明します(法第12条第1項)。発注者の承諾があれば電子的な方法でも構いません。
工事が終わったら、元請業者は何をしますか?
再資源化等が完了したら、発注者に書面で報告し、実施状況の記録を作成して保存します(法第18条第1項)。

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