経審の端数処理一覧|X1〜W・Pの切り捨てと四捨五入
途中の評点を丸める場所と、最後のP点を丸める場所は同じではありません。
国土交通省の算式・手引き経審の総合評定値Pを手計算すると、算式が合っていても1点ずれることがあります。主な原因は、X1・X2・Y・Z・Wの途中で行う端数処理と、5評点を合計した後の端数処理を一度に済ませてしまうことです。ここでは、国土交通省の通知と申請手引きに沿って、丸める段階を一覧にします。
X1〜W・Pの端数処理一覧
評点ごとの処理は次のとおりです。「途中の値を丸めてから次の式へ進む」箇所と、「合成後に丸める」箇所を分けて読むのがポイントです。
| 評点 | 丸める段階 | 処理 |
|---|---|---|
| X1 | 年間平均完成工事高を区分別算式へ入れた後 | 小数点以下を切り捨て |
| X2 | 自己資本額・平均利益額の各点数と、両者の合計を2で割った後 | 小数点以下を切り捨て |
| Y | 8指標、経営状況点数A、Y=167.3×A+583の各段階 | 所定桁で四捨五入。最終Yは整数 |
| Z | Z1・Z2の各点数と、Z1×0.8+Z2×0.2の合成後 | 小数点以下を切り捨て |
| W | W1〜W8の合計点数×10×175÷200の計算後 | 小数点以下を切り捨て |
| P | 0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15Wの合計後 | 小数点以下を四捨五入 |
X1・X2・Z・Wは切り捨て、Yと最終Pは四捨五入です。すべての元データを最後まで小数のまま持ち、Pだけを丸める計算では、公式の手順と同じ結果になりません。
本サイトの計算エンジンも、X1・X2・Z・Wに切り捨て、Y・Pに四捨五入を個別設定しています。算式全体は経審P点の計算方法で解説しています。
申請書の入力値にも別の端数処理がある
評点の丸め方とは別に、申請書へ記入する金額・割合・年数にも所定の端数処理があります。元データを整える段階と、評点を求める段階を混同しないようにします。
| 入力項目 | 処理 | 記入上の意味 |
|---|---|---|
| 完成工事高・財務諸表等の金額 | 千円未満を切り捨て | 千円単位で記入する |
| CPD単位取得数 | 認定団体ごとの換算後に小数点以下を切り捨て、30を上限とする | 技術者ごとに換算する |
| 若年技術職員の割合 | 小数点第2位以下を切り捨て | 百分率を小数第1位まで記入する |
| 営業年数 | 1年未満を切り捨て | 満年数で数える |
たとえばCPDは、会社全体の合計値を最後に丸めるのではなく、技術者1人ごとに認定団体の数値で換算してから端数を切り捨てます。若年技術職員の割合は人数の評点化とは別に、申請書へ記入する百分率の桁を整える処理です。
手計算で1点ずらさない順番
- 入力値を申請書の単位にそろえる金額は千円単位、割合・年数は各欄の端数処理に合わせます。
- X1・X2・Y・Z・Wを個別に確定する各評点の途中処理を済ませ、整数の5評点を出します。
- 確定した5評点へウェイトを掛ける0.25・0.15・0.20・0.25・0.15をそれぞれ掛けて合計します。
- 最後にPを四捨五入する途中の加重値を先に整数化せず、5つを合計した値を丸めます。
モデルケースのX1=842、X2=647、Y=700、Z=714、W=621では、加重合計は719.2です。最後に四捨五入するためPは719点になります。
Wがマイナスのときの切り捨て
Wは法令遵守などの減点によりマイナスになり得ます。本サイトでは「切り捨て」を0へ近づける処理ではなく、値を超えない整数へ下げる処理として実装しています。
令和8年基準のW項目合計が最低の−90点なら、−90×10×175÷200=−787.5です。国土交通省の改正概要が示すWの最低点は−788点であり、−787点ではありません。この境界値は自動テストでも固定しています。
確認した一次資料
- 国土交通省「経営事項審査の事務取扱いについて(令和8年改正反映版)」X1・X2・Y・Z・Wの算式、切り捨て・四捨五入、CPD換算の端数処理
- 国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」令和8年基準におけるW評点の最低−788点
- 近畿地方整備局「経営規模等評価申請・総合評定値請求手引き(令和8年7月版)」千円未満、若年技術職員割合、営業年数等の端数処理
まとめ
- X1・X2・Z・Wは小数点以下を切り捨て、Yと最終Pは四捨五入。
- X2は2つの内訳点を確定してから平均し、ZはZ1・Z2を確定してから0.8・0.2で合成する。
- 申請書の千円単位、CPD換算、若年技術職員割合、営業年数にも別の端数処理がある。
- Wが−787.5なら、公式の最低点と一致する処理結果は−788点。
- Pは確定済みの5評点へウェイトを掛け、合計後に四捨五入する。
自社の数値は経審P点シミュレーターで試算でき、評点ごとの内訳も表示されます。点数帯ごとの変化は経審P点の早見表で比較できます。
評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧に掲載しています。
よくある質問
- 経審の評点はすべて小数点以下切り捨てですか?
- いいえ。X1・X2・Z・Wは小数点以下を切り捨てますが、Yと最終的な総合評定値Pは四捨五入します。評点ごとに丸める段階も異なります。
- X2はどの段階で切り捨てますか?
- 自己資本額と平均利益額をそれぞれ区分別算式で点数化して切り捨てた後、その合計を2で割り、X2評点の小数点以下も切り捨てます。
- P点はX1〜Wを合計してから四捨五入しますか?
- はい。確定したX1・X2・Y・Z・Wへ0.25・0.15・0.20・0.25・0.15のウェイトを掛け、5つの加重値を合計してから小数点以下を四捨五入します。
- W評点がマイナスの場合、−787.5は何点になりますか?
- −788点です。令和8年基準のW項目合計が最低の−90点なら算式は−787.5となり、国土交通省の改正概要が示すW評点の最低−788点と一致します。
- 申請書の金額は円単位で記入しますか?
- 主な完成工事高・財務諸表等の金額欄は千円単位で、千円未満を切り捨てて記入します。評点算式で行う小数点以下の処理とは別の段階です。
公開日: 2026-09-09
令和8年新基準・改正前基準を新旧比較で無料試算(無料・登録不要):経審P点シミュレーターを使う
本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責