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単価契約・年間維持修繕工事の入札の確認点|総価契約との違い・申込・指示と支払い

自治体の単価契約は、総額ではなく単価を決めておき、実際に出た工事の量で支払額が決まる契約です。総価契約との違い、事業者の選び方(申込登録型と入札型)、事務担当が公告や要領で確かめる点を、江戸川区・あきる野市・四日市市上下水道局の公開資料から整理します。

自治体の公開要領
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

道路の応急補修や樹木の剪定のように、いつ・どれだけ発生するか読めない工事では、自治体が「単価契約」を結びます。江戸川区の説明では、規格や単価だけを決め、金額は給付の実績によって算出する契約です。1件ごとに総額を決める総価契約とは、見積の出し方も、仕事が来る流れも、支払いの数え方も違います。この記事は、自治体3つの公開資料を例に、事務担当が応募前に公告・要領で確かめる点を並べます。細かな条件は自治体ごとに異なるため、実際の応募は各発注者の最新の案内に従ってください。

総価契約との違い

江戸川区は、単価契約を「一定期間内に反復継続して行う簡易な維持補修工事や、緊急の工事で数量を確定できない場合に、その規格や単価だけを決定し、金額はその給付の実績によって算出する契約」と説明しています。次の表は、事務担当が見る点で2つの契約を並べたものです。

見る点総価契約単価契約
契約で決めるもの工事ごとの請負代金の総額工種ごとの単価と契約条件
支払額の決まり方契約した総額(変更契約がなければ)指示された工事の実績数量に単価を掛けた額
仕事が来る流れ契約した工事を施工する発注者の指示のたびに施工する

対象の工事は自治体で異なります。江戸川区は土木維持・建築・電気設備・道路照明設備・給排水設備・空調設備・塗装・樹木等維持・消防設備の9種類、あきる野市は除排雪作業、道路応急補修工事、防犯灯修繕、既設管等補修工事などを挙げています。

事業者の選び方は2通りある

公開資料を見ると、事業者の選び方には少なくとも次の2つがあります。応募前に、自分が見ている案件がどちらかを公告・要領で確かめます。

型例事務担当が確かめる点
申込登録型江戸川区(毎年1月に申込。令和8年度分は令和8年1月30日必着)、あきる野市(原則毎月10日までの申込を翌月1日から登録)申込の期限と方法、対象者の要件、契約書類の提出
入札型四日市市上下水道局の単価契約工事(競争入札)入札の参加条件、工種・単価表の様式、落札の決め方

あきる野市の対象者は、市内に本店または支店があること、東京電子自治体共同運営電子調達サービスまたは同市の小規模等随意契約に有効な登録があること、申込案件を施工するために必要な建設業許可等を取得していることの全てを満たす必要があります(公共汚水ます等設置工事の単価契約では、前の2つは不要)。申込みの前に、入札参加資格の登録や建設業許可の有無を手元で確かめておくと進めやすくなります。江戸川区の対象者の要件は、同区の申込案内(PDF)に書かれています。

あきる野市は「工事系単価契約の締結は、工事の発注をお約束するものではありません」と明記しています。契約を結んだことと、仕事が来ることは別だと考えて、人員・資材の手配は指示を受けてから動く前提で準備します。

見積の出し方(入札型の例)

四日市市上下水道局の令和3年4月の実施要領(公共下水道公設汚水桝設置工事の単価契約)では、契約方法が次のように書かれています。

  1. 入札参加業者が、工種・単価表の合計金額で競争入札する。
  2. 工種・単価表の合計金額の落札金額と各工種の構成比率の積により、各工種の単価(円単位)を決める。

つまり入札では合計金額を書き、個々の単価は落札後に構成比率で決まる形です。あわせて、契約していない工種が出たときの扱い(未契約単価)も定められており、発注者が県の積算基準等で決めた単価に請負比率を掛けた金額で協議するとされています。応募前に、単価表の工種と構成比率、未契約単価の扱いを要領で読みます。この要領は同局の例です。他の発注者が同じ方式とは限りません。

工事の指示・限度額・支払い

同じ要領から、指示と支払いに関する決まりを拾います。数字は同局のその年度の例です。

項目要領の内容(四日市市上下水道局の例)
工事の指示工事(変更)指示書により実施する
1件1現場の限度額原則80万円未満(税込)。現場の都合で80万円以上130万円未満の指示をする場合がある
契約全体の指示限度額950万円(税込)。総指示額がこれを超えた時点で新しい指示を行わない。最終指示時点の総指示額は999万円(税込)が上限
完成の手続き指示工事ごとに完成報告書を提出し、全て終えたら工事完成届を提出する
請求業務実績報告書(兼請求明細書)に基づいて請求する。合計金額は千円止めとし、その額に消費税相当額を乗じて支払う

契約の総額に上限が設けられている点が、単価契約の事務で最も見落としやすい点です。上限に達すると新しい指示が出ないため、年間でどれくらいの仕事量を見込むかは、限度額と指示の件数の目安から考えます。総指示額が限度額に達しない場合もあると、要領に書かれています。

公告・要領で確かめる点

  • 申込登録型か入札型か。期限、方法、提出書類は何か。
  • 参加の要件(所在地、入札参加資格や電子調達の登録、必要な建設業許可)。
  • 対象の工種と、単価表の様式。契約していない工種の単価の扱い。
  • 工期と、指示の出し方(指示書の受け方、連絡先の届出)。
  • 1件あたりの限度額と、契約全体の指示限度額。
  • 完成報告・請求の書類と、支払いの数え方。

次に知りたいこと

確認した一次資料

まとめ

  1. 単価契約は、単価を決めておき、指示された工事の実績で支払額が決まる契約。
  2. 事業者の選び方は申込登録型と入札型があり、自治体で違う。
  3. 契約を結んでも発注の約束ではなく、契約全体に指示限度額がある場合がある。
  4. 応募前に、申込の期限・参加要件・単価表・限度額・請求の書類を要領で確かめる。

この記事は3つの発注者の公開資料の整理です。年度や発注者で条件は変わります。実際の応募は、各発注者の最新の公告・要領に従ってください。評点表・算式の転記元は一次資料・出典にまとめています。

よくある質問

単価契約とは何ですか?
江戸川区は、一定期間内に反復継続して行う簡易な維持補修工事や、緊急の工事で数量を確定できない場合に、規格や単価だけを決め、金額は給付の実績によって算出する契約と説明しています。
単価契約を結べば、工事を必ずもらえますか?
もらえるとは限りません。あきる野市は、工事系単価契約の締結は工事の発注をお約束するものではないと明記しています。
単価契約の事業者は、どう選ばれますか?
自治体で異なります。江戸川区やあきる野市は申込を受け付けて契約する形で、四日市市上下水道局の例は工種・単価表の合計金額による競争入札です。応募前に公告や要領で確かめます。
単価契約に、契約全体の金額の上限はありますか?
四日市市上下水道局の令和3年4月の要領では、指示限度額が950万円(税込)で、総指示額が超えた時点で新しい指示を行わないとされています。上限の有無と額は発注者ごとに異なります。

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