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入札参加資格の申請書類は情報公開請求で開示されるか

国の競争参加資格の申請書類が、情報公開法の請求でどこまで開示対象になるのかを、国土交通省の手引きと法律の条文で整理します。

行政機関情報公開法第5条・同法施行令の整理
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

国の競争参加資格を申請すると、決算の数字や技術者の人数などを書いた書類を国に預けることになります。その書類を第三者が見せてほしいと請求した場合に、どこまで出るのかは、申請の前に知っておきたい点です。この記事では、国土交通省地方整備局等の手引きの記載と、情報公開法の条文の範囲で整理します。個別の書類が開示されるかどうかは、請求を受けた機関が判断します。

手引きに書かれていること

国土交通省地方整備局等の「建設工事 競争参加資格審査申請書作成の手引き」(令和7・8年度版)には、「情報公開法の施行」という項目があります。要点は次のとおりです。

  • 平成13年4月1日以降、地方整備局や各事務所などが取得した文書(例として、資格審査申請書類)は、開示請求があった場合の対象になります。
  • 請求できる人は、建設会社でも個人でも、法人・個人を問いません。
  • ただし、その法人、団体、個人の権利や競争上の地位などを害するおそれがないものについて、開示対象になるとされています。
  • 会社代表者の氏名などは、国土交通省では「公にすることが予定されている情報」として取り扱うと書かれています。

手引きは令和7・8年度版を確かめました。令和9・10年度の手引きが公表されたら、書き方が変わる可能性があります。

法律が定める開示と不開示の線引き

行政機関情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)第3条は、何人も行政文書の開示を請求できると定めています。第5条は、不開示情報が記録されている場合を除き、行政機関の長は開示しなければならないとしています。申請書類に関係する不開示情報は、主に次の2つです。

申請書類に関係する不開示情報(第5条)
区分条文の内容
個人に関する情報(第1号)特定の個人を識別できる氏名や生年月日などの情報。ただし、法令の規定または慣行として公にされ、または公にすることが予定されている情報は除く。事業を営む個人の、その事業に関する情報も、この号の対象から除かれる
法人等の情報(第2号)公にすることで、その法人や事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報。行政機関の要請で、公にしない条件で任意に提供され、その条件が合理的なものも含む。ただし、人の生命、健康、生活または財産を保護するため公にすることが必要な情報は除く

手引きの「権利や競争上の地位等を害するおそれがないものは開示対象」という書き方は、この第2号の裏返しです。決算の数字や技術者の人数が書類にあっても、それが競争上の地位を害するおそれのある情報にあたるかどうかは、請求を受けた機関が書類ごとに判断します。この記事では、どの項目が出る、出ないとは言い切れません。

第7条には、不開示情報が含まれていても、公益上特に必要があると認めるときは、機関の長が開示できるという定めもあります。

条文は2026年10月17日にe-Gov法令検索で確かめました。法改正で変わることがあります。

もともと公表される情報

手引きは、請求がなくても有資格業者名簿として公表している内容を挙げています。公表の方法は、国土交通省地方整備局等のホームページへの掲載です。

手引きが挙げる有資格業者名簿の公表内容
項目手引きの記載
等級区分と順位等級区分のない工事種別では、順位のみ
事業者の基本情報法人番号、商号または名称、役職と代表者氏名、本店所在地、電話番号、FAX番号
点数総合点数、経営事項評価点数(港湾空港関係は客観点数)、技術評価点数(港湾空港関係は特別点数)
規模の目安資本金、総職員数など

手引きは、この公表を「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の制定による透明化の考え方に基づくものと説明しています。経審の点数が入札の等級を決める仕組みは入札ランクの目安で確かめられます。

開示請求の流れと手数料

請求する側の手続きは、行政機関情報公開法と同法施行令に次のように定められています。

開示請求の主な手続き
項目条文の内容
請求の方法(第4条)氏名または名称、住所または居所(法人は代表者の氏名も)と、行政文書を特定できる事項を書いた開示請求書を、行政機関の長に提出する
決定の期限(第10条)請求があった日から30日以内。事務処理上の困難などの正当な理由があれば、30日以内に限り延長できる
開示請求手数料(施行令第13条)行政文書1件につき300円。電子情報処理組織を使って請求する場合は200円。開示の実施には別に手数料の定めがあり、一定額までは無料
第三者への意見書の機会(第13条)書類に第三者の情報が記録されているとき、機関は決定の前に、その第三者へ意見書を出す機会を与えることができる。第5条第2号ただし書に当たる場合などは、与えなければならない

第13条により、自社の情報が含まれる書類の開示が検討されるとき、自社が意見を述べる機会が与えられる場合があります。第三者が開示に反対の意見書を出して開示が決まった場合は、開示を実施する日まで少なくとも2週間が置かれます。

建設業の許可書類は閲覧所で見られる

入札参加資格の申請書類とは別に、建設業法第13条は、国土交通大臣または都道府県知事が、次の書類などを公衆の閲覧に供する閲覧所を設けなければならないと定めています。

  • 建設業の許可申請書
  • 許可申請に添える書類のうち、第6条第1項第1号から第4号に掲げるもの
  • 変更届出書
  • 毎事業年度の終了後に提出する書類のうち、工事経歴書と直前3年の工事施工金額を記載した書面(第11条第2項、第6条第1項第1号・第2号)

法律に基づく閲覧制度のため、開示請求とは別の仕組みです。許可の更新や変更届を出すときは、提出する書類が閲覧の対象になりうることを前提に準備します。許可の更新の手順は建設業許可の更新の記事にまとめています。

申請する側が手元で確かめること

  • 公表される項目を知っておく:商号、代表者氏名、所在地、点数などは、名簿として公表されます。
  • 書類は開示対象になりうる:手引きは、競争上の地位を害するおそれのないものを開示対象としています。害するおそれがあると考える情報は、申請の前に、どの書類のどの項目か整理しておくと、意見を述べる場面で説明しやすくなります。
  • 自社の情報が請求された場合:第13条の意見書の機会が与えられる場合があります。通知が届いたら、期限と内容を確かめてください。
  • 自治体の取り扱いは別:都道府県や市町村は、それぞれの情報公開条例で定めています。この記事の内容は国の機関についての整理です。自社が参加する発注機関の条例と手引きは、機関ごとに確かめてください。

確認した一次資料

まとめ

  • 国土交通省地方整備局等の手引きは、資格審査申請書類を、競争上の地位などを害するおそれのないものについて開示対象としています。
  • 線引きは情報公開法第5条の不開示情報で、個別の項目の可否は請求を受けた機関が判断します。
  • 商号、代表者氏名、点数などは、請求がなくても有資格業者名簿として公表されます。
  • 自治体の取り扱いは条例ごとに異なるため、発注機関ごとに確かめてください。

この記事は制度の説明で、法律上の助言ではありません。条文や手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各機関の公式資料で確認してください。

よくある質問

入札参加資格の申請書類は、情報公開請求で見られますか?
国土交通省地方整備局等の手引きは、資格審査申請書類を、法人や個人の権利や競争上の地位などを害するおそれがないものについて開示対象としています。個別の項目が開示されるかは、請求を受けた機関が判断します。
情報公開法の開示請求にはいくらかかりますか?
行政機関情報公開法施行令第13条は、開示請求手数料を行政文書1件につき300円、電子情報処理組織を使う場合は200円としています。開示の実施には別に手数料の定めがあります。
申請した会社の情報が開示されることになったら、意見を言えますか?
行政機関情報公開法第13条は、第三者の情報が記録された書類について、機関が意見書を提出する機会を与えることができると定め、一定の場合は与えなければならないとしています。

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