入札保証金の納付・免除・返還|落札しても契約しないと国や自治体のものになる
入札に参加するときに求められる入札保証金について、額の目安、免除や担保、返還の流れ、落札者が契約しないときの扱いを、法令と和歌山県の要領から整理します。
会計法・予算決算及び会計令・地方自治法・和歌山県の取扱要領入札保証金は、入札に参加する人が発注者に預けるお金です。落札した人が契約を結ばなかったときの損失に備えるもので、落札者以外には入札の後に返されるのが一般的です。ただし、発注者によって、求めるかどうか、免除の方法、返還の手続きが違います。入札公告で確かめる点を中心に整理します。
入札保証金と契約保証金の違い
入札保証金は、入札に参加する段階で預けます。契約保証金は、落札して契約を結ぶときに預けるもので、工事を最後までやり遂げることに備えます。契約保証は契約保証の種類と免除の条件で整理しています。
国と自治体の法令が定めること
| 対象 | 根拠 | 内容 |
|---|---|---|
| 国 | 会計法第29条の4第1項 | 入札に加わろうとする者に、見積もる契約金額の100分の5以上の保証金を納めさせる。必要がないと認められるときは、政令の定めで全部または一部を免除できる |
| 国 | 会計法第29条の7 | 落札者の納付した保証金(担保を含む)は、落札者が契約を結ばないときは国庫に帰属する |
| 地方公共団体 | 地方自治法施行令第167条の7第1項 | 一般競争入札で、その団体の規則で定める率または額の入札保証金を納めさせる |
| 地方公共団体 | 地方自治法第234条第4項 | 入札保証金を納めさせた場合に、落札者が契約を締結しないときは、その保証金(担保を含む)はその団体に帰属する |
国の100分の5以上は会計法の定めです。自治体は率を規則で決めるため、団体によって違います。上の条文には落札者以外への返還の手順は書かれておらず、返還の具体的な手順は、発注者の規則や要領で定められています。
納付に代わる担保と免除
会計法第29条の4第2項は、保証金の納付を、国債や確実と認められる有価証券などの担保の提供で代えられるとしています。予算決算及び会計令第77条は、納付を免除できる場合として、次の2つを挙げています。
- 一般競争に参加しようとする者が、保険会社と国を被保険者とする入札保証保険契約を結んだとき。
- 予算決算及び会計令第72条第1項の資格を有する者による一般競争で、落札者が契約を結ばないおそれがないと認められるとき。
和歌山県の「建設工事における入札保証に関する取扱要領」では、見積もる入札金額(消費税相当額を加えたもの)の100分の5以上の納付を求めるとしています。担保として扱えるのは利付国債または地方債の提供と、知事が確実と認める金融機関の保証です。免除として扱えるのは、保険会社との入札保証保険契約の締結と、金融機関または保証事業会社との契約保証の予約です。
この要領では、入札保証の措置は1回の入札で1つを選び、2つ以上を同時には選べません。ただし、入札保証金の納付とそれ以外の措置の組み合わせは可能です。納付せず、担保の提供も免除の事由もない場合や、納付額が不足している場合は、失格になります。
返還の流れ(和歌山県の例)
同じ要領は、落札者の決定後の扱いを次のように定めています。
| 保証の形 | 落札者以外 | 落札者 |
|---|---|---|
| 入札保証金(現金) | 入札保証金還付請求書を出し、還付を受ける | 契約を締結した後に還付する |
| 利付国債・地方債 | 落札者の決定後に払渡し | 契約を締結した後に払渡し |
| 金融機関の保証 | 保証書を、入札参加者を経由して金融機関に返還 | 契約を締結した後に返還 |
入札保証保険の証券は、返還ではなく、そのまま入札書と一緒に発注者が保管します。また、発注者が必要と認める場合には、落札者に還付すべき入札保証金を契約保証金の一部に振り替えることができ、その場合に落札者が納める契約保証金は、差額になります。金融機関の保証や入札保証保険では、この振り替えはできないとされています。
これは和歌山県の例で、他の発注者は書式や日数が違います。還付請求書の様式や口座の登録が必要かは、入札公告や入札説明書で確かめます。
落札しても契約しないとき
落札者が契約を結ばないときは、国も自治体も、落札者の納付した保証金が帰属する(国庫または団体のものになる)と法律に書かれています。和歌山県の要領でも、この場合は入札保証金を歳入に組み入れ、担保の国債や地方債は普通財産に受け入れ、金融機関の保証や入札保証保険では保証金や保険金の請求を行うとされています。
入札を辞退する場合の手続きと提出先は、入札の辞退のしかたで扱っています。入札保証金を納めた入札を辞退したときの保証金の扱いは、このページの法令や要領には書かれていないため、発注者の入札公告や入札心得で確認してください。
入札公告で確かめること
- 保証金の要否:そもそも入札保証金を求める入札か。求めない入札も多くあります。
- 額と率:見積もる入札金額の何パーセント以上か。消費税相当額を含むか。
- 納付の方法:現金、国債、金融機関の保証、入札保証保険のどれが認められるか。
- 納付の期限と書類:入札の執行前に提出する書類があり、不足すると失格になる発注者があります。
- 返還の手続き:還付請求書の提出が要るか、日数はどれくらいか。
- 契約しないときの扱い:落札後に契約しない場合の帰属と、損害賠償の取扱い。
入札参加資格と経審の全体像はインターネット一元受付の審査・認定の流れで確認できます。
確認した一次資料
- 会計法(昭和22年法律第35号)第29条の4(入札保証金)、第29条の7(落札者の保証金の帰属)
- 予算決算及び会計令第77条(入札保証金の納付の免除)
- 地方自治法施行令第167条の7(一般競争入札の入札保証金)
- 地方自治法第234条第4項(落札者が契約しないときの帰属)
- 和歌山県「建設工事における入札保証に関する取扱要領」納付額、担保、免除、返還、契約しないときの扱い
まとめ
- 入札保証金は、国では見積もる契約金額の100分の5以上が原則で、自治体は規則で率を決めます。
- 納付は担保で代えられ、入札保証保険などで免除される場合があります。
- 落札者以外には入札の後に返され、落札者の分は契約後に返されたり契約保証金に振り替えられたりします(和歌山県の例)。
- 落札者が契約を結ばないときは、保証金は国庫や団体に帰属します。
この記事は制度の説明で、個別の入札の判断や特定の保険・保証サービスの推奨は行いません。条件は、発注者の入札公告と入札説明書で確認してください。
よくある質問
- 入札保証金は、いくら納めますか?
- 国の入札は、会計法第29条の4第1項で、見積もる契約金額の100分の5以上です。自治体は地方自治法施行令第167条の7により、その団体の規則で定める率または額で、団体ごとに違います。
- 入札保証金を納めずに済む場合はありますか?
- 国では予算決算及び会計令第77条が、入札保証保険契約を結んだときなどに納付を免除できるとしています。自治体では、和歌山県の要領のように、入札保証保険や契約保証の予約で免除する扱いがあります。
- 落札できなかったとき、入札保証金は返ってきますか?
- 和歌山県の要領では、落札者以外は入札保証金還付請求書を出して還付を受けます。会計法などの条文には返還の手順が書かれておらず、請求書の様式や日数は発注者の公告や要領で確かめます。
- 落札したのに契約を結ばないと、入札保証金はどうなりますか?
- 会計法第29条の7は国庫に、地方自治法第234条第4項は団体に帰属すると定めています。落札者の納付した保証金(担保を含む)が対象です。
- 落札者の入札保証金は、契約保証金にできますか?
- 和歌山県の要領では、発注者が必要と認めるとき、落札者に還付すべき入札保証金を契約保証金の一部に振り替えられます。金融機関の保証や入札保証保険では振り替えられません。他の発注者の扱いは公告で確かめます。
公開日: 2026-10-16
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