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公共工事の工事写真の撮り方と提出|写真管理基準(案)の分類・小黒板・撮影頻度・省略できる場合

国土交通省の写真管理基準(案)(令和8年3月)に沿って、工事写真の分類、小黒板に書く6項目、撮影頻度、写真を省略できる場合、電子媒体での提出までを整理します。

写真管理基準(案)令和8年3月
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営者情報

完成検査や部分払いの前に、工事写真の不足に気づく事務担当は少なくありません。国土交通省の土木工事では、工事写真は「写真管理基準(案)」に従って撮り、整理して提出します。この記事は、基準の本文と全体の撮影箇所一覧表(Ⅰ)から、事務担当が最初に確かめる点を拾います。工種ごとの出来形・品質管理の撮影箇所一覧表は量が多いため、ここでは扱いません。自治体や他の発注者の工事は、その発注者の基準によります。

基準が適用される工事

基準の適用範囲は、「土木工事施工管理基準に定める土木工事の工事写真による管理(デジタルカメラを使用した撮影~提出)」です。写真を映像と読み替えることも可とされています。建築工事など、土木工事施工管理基準の対象でない工事には、この基準は直接適用されません。自社の工事が何の基準によるかは、契約図書(特記仕様書)で確かめます。

工事写真の分類

基準は、工事写真を次のように分けています。

分類基準の区分
着手前及び完成写真既済部分写真等を含む
施工状況写真工事施工中の進捗、仮設、図面との不一致など
安全管理写真標識類、保安施設、監視員、安全訓練
使用材料写真形状寸法、使用数量、保管状況、品質証明、検査実施状況
品質管理写真工種ごとの撮影箇所一覧表(品質管理)による
出来形管理写真工種ごとの撮影箇所一覧表(出来形管理)による
災害写真・事故写真被災状況、事故の状況
その他公害、環境、補償等

小黒板に書く項目

基準は、次の6項目のうち必要事項を書いた小黒板を、文字が判読できるよう被写体と一緒に写し込むとしています。

  • 工事名
  • 工種等
  • 測点(位置)
  • 設計寸法
  • 実測寸法
  • 略図

小黒板の判読が困難な場合は、「デジタル写真管理情報基準」の写真情報(写真管理項目の施工管理値)に必要事項を記入して整理します。また、撮影箇所がわかりにくいときは、撮影位置図・平面図・凡例図・構造図などの見取り図を参考図として、写真と同時に作ります。

小黒板の情報を電子的に書き込む方法は、基準の2-5で、「デジタル工事写真の小黒板情報電子化についての一部改定について」(令和5年3月15日 国技建管第6号)に基づくものとして、写真編集には当たらないとされています。

全体の撮影頻度

基準の本文は、撮影頻度は撮影箇所一覧表に従うとしています。一覧表(全体)の主な項目は次のとおりです。

区分撮影項目撮影頻度
着手前・完成全景又は代表部分着手前に1回、施工完了後に1回
施工状況全景又は代表部分の工事進捗状況月1回(月末)
施工状況施工中の写真工種・種別ごとに、設計図書と施工計画書どおりに施工していることが確認できるよう適宜
施工状況仮設(指定仮設)1施工箇所に1回
施工状況図面との不一致必要に応じて(工事打合簿に添付)
安全管理各種標識類・各種保安施設の設置状況各種類ごとに1回
安全管理安全訓練等の実施状況実施ごとに1回
使用材料形状寸法・使用数量・保管状況各品目ごとに1回(品質証明に添付)
災害・事故被災状況、事故の状況その都度

「適宜」は、基準の用語の定義で、設計図書の仕様が写真により確認できる必要最小限の箇所や枚数をいいます。撮影項目や頻度が工事内容に合わないときは、監督職員の指示で追加・削減します。一覧表にない工種は、監督職員と写真管理項目を協議して取扱いを定めます。

写真を省略できる場合

基準の2-4は、次の場合に撮影を省略できるとしています。

  • 品質管理写真:公的機関で実施された品質証明書を保管整備できる場合。
  • 出来形管理写真:完成後に測定可能な部分は、出来形管理状況のわかる写真を工種ごとに1回撮影し、後は省略できる。
  • 段階確認:監督職員または現場技術員が臨場して段階確認した箇所は、出来形管理写真の撮影を省略する。臨場時の状況写真は不要。

一方、不可視となる出来形部分は、上墨寸法を含む出来形寸法が確認できるよう、特に注意して撮影します。完成後に見えなくなる部分の撮り忘れは、後から取り返せません。

3次元計測技術を用いた出来形管理要領による管理をしたときは、出来形管理写真の撮影頻度・撮影方法は、写真管理基準のほか、その要領の規定によります(基準2-3)。

撮影の仕様と編集の禁止

  • 写真はカラーとします。
  • 有効画素数は、小黒板の文字が判読できることが目安で、100万画素程度から300万画素程度(1,200×900程度から2,000×1,500程度)とされています。
  • 写真の信憑性を考慮し、写真編集は認められません。

整理と提出

撮影頻度に基づいて撮影した写真の原本を電子媒体に格納し、監督職員に提出します。写真ファイルの整理と電子媒体への格納方法は、「デジタル写真管理情報基準」によります。電子媒体全体の納品の事務は『公共工事の電子納品(電子成果品)の事務』に整理しています。

写真の整理が済んだら、完成の通知から検査までの日数の中で何を先に済ませるかを並べます。順番は『公共工事の完成検査から引渡し・請求までの事務の順番』にあります。

確認した一次資料

確認日:2026年10月18日。工種ごとの品質管理・出来形管理の撮影箇所一覧表、デジタル写真管理情報基準の中身、各発注者(自治体を含む)の独自の基準は、この記事では確認していません。

次に知りたいこと

まとめ

  • 国土交通省の土木工事の工事写真は、写真管理基準(案)(令和8年3月)に従って撮る。
  • 小黒板は工事名・工種等・測点・設計寸法・実測寸法・略図のうち必要事項を写し込む。
  • 撮影頻度は撮影箇所一覧表に従う。着手前・完成は各1回、進捗は月1回。
  • 品質証明書の保管、完成後に測定できる部分、段階確認済みの箇所は、一部の写真を省略できる。
  • 写真の編集は認められない。提出は電子媒体で、整理はデジタル写真管理情報基準による。

この記事は公開情報の整理で、個別の契約に対する判断や、申請・届出の代行・個別の相談は行いません。具体的な取扱いは、各発注者の契約担当・監督職員の案内で確認してください。正式な評点は審査結果が優先します。評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

工事写真の小黒板には、何を書きますか?
写真管理基準(案)は、工事名、工種等、測点(位置)、設計寸法、実測寸法、略図のうち必要事項を書いた小黒板を、文字が判読できるよう被写体と一緒に写し込むとしています。
着手前と完成の写真は、何回撮りますか?
撮影箇所一覧表(全体)では、全景又は代表部分を着手前に1回、施工完了後に1回です。工事の進捗状況は月1回(月末)とされています。
工事写真の撮影を省略できるのはどんなときですか?
基準の2-4は、公的機関の品質証明書を保管整備できる品質管理写真、完成後に測定可能な部分の出来形管理写真(工種ごとに1回撮影し後は省略)、監督職員等が臨場して段階確認した箇所の出来形管理写真を挙げています。
撮った写真を明るさなどで加工してもよいですか?
基準の2-5は、写真の信憑性を考慮して写真編集を認めないとしています。ただし、令和5年3月15日付の通知に基づく小黒板情報の電子的記入は、編集に当たらないとされています。

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