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経審の技術職員2業種配分をP点で実測比較|1人をどちらの業種に計上すると有利か

1人の技術者を業種Aだけ・業種Bだけ・両方に計上した場合のP点差を、計算エンジンで実測しました。

計算エンジンによる実測
編集:建設経営ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

複数業種の許可を受けている会社では、複数の資格・実務経験を持つ技術者が1人いるとき、どの業種の技術職員名簿に載せるかで各業種のP点が変わります。技術職員数値とはでは「1人2業種まで計上できる」という制度と、点数が上がる組み合わせで配置するのが実務上のポイントになることを説明していますが、実際に何点差が出るかまでは示していません。

この記事では、技術職員数が少ない業種・多い業種を持つモデル会社を例に、配分先によるP点差を計算エンジンで実測します。

前提:1人の技術者は2業種まで計上できる

経審の技術職員は、1人の職員につき技術職員として申請できるのは2業種までという制限があります。逆にいえば、対応する資格と実務経験があれば、1人を2業種の技術職員名簿へ同時に計上できます。詳しい確認順は技術職員数値とはで解説済みのため、この記事では踏み込みません。

ここで扱うのは、その先の実務判断です。P点は業種ごとに別々に算定されるため(業種別にP点が異なる理由参照)、1人を業種Aだけに計上した場合・業種Bだけに計上した場合・両方に計上した場合で、それぞれの業種のP点がどれだけ変わるかは自明ではありません。

モデル会社:技術職員が少ない業種・多い業種

本サイトのモデルケース(年間完成工事高3億円・元請完成工事高2億円・自己資本5,000万円・平均利益1,000万円・Y評点700点・W点は標準的な加入状況)をもとに、2業種の許可を受けている会社を想定します。

会社全体で共通のX2(自己資本額・平均利益額)・Y(経営状況)・W(社会性等)はモデルケースと同じ値を使い、完成工事高・元請完成工事高はモデルケースの金額を2業種へ均等に分割しました。

業種完成工事高元請完成工事高既存の技術職員
業種A(技術職員が少ない業種)1億5,000万円1億円1級1・2級1・その他1
業種B(技術職員が多い業種)1億5,000万円1億円1級4・2級4・その他4

業種名・完成工事高の配分比率は説明用の想定であり、特定の業種の組み合わせに技術職員数の一般的な傾向があることを示すものではありません。自社の実際の配分に置き換えて考えてください。

実測:どちらに計上するとP点が伸びるか

1級技術者1名を、業種Aだけに計上した場合・業種Bだけに計上した場合・2業種の制限の範囲内で両方に計上した場合のP点を実測しました。

1級技術者1名を追加計上したときのP点(r8基準)
計上先計上前のP点計上後のP点
業種Aのみ682点695点+13点
業種Bのみ727点734点+7点
業種A・業種B 両方(AとBそれぞれで上記の計上後の点数)合計+20点

本サイトの計算エンジンで実測(令和8年新基準)。モデルケース以外の条件では結果が変わります。

同じ1級技術者1名でも、技術職員が少ない業種Aに計上すると+13点、多い業種Bに計上すると+7点とほぼ2倍の差が出ました。2業種制限の範囲内で両方に計上できるなら、合計+20点でどちらか一方だけに計上するより有利です。

差が出る理由:技術職員数値テーブルは対数的

この差は、技術職員数値の区分表が対数に近い形で設計されているためです。経審の点数が上がる資格で示したとおり、同じ1級技術者1名の追加でも、既存の技術者が少ない会社ほど効果が大きく、多い会社ほど効果は小さくなります。

業種Aは既存の技術者数値が8(1級1×5+2級1×2+その他1×1)と小さいため、区分表の下のほうで1名増えると区分が大きく動きます。業種Bは既存の技術者数値が28(1級4×5+2級4×2+その他4×1)とすでに大きく、同じ1名の追加でも区分の動きが相対的に小さくなります。

会社の規模(完成工事高)ではなく、その業種にすでにいる技術者の人数が伸びしろを決めます。

両方に計上できない場合の判断材料

2業種まで計上できるとはいえ、実際には対応する資格の有資格区分コードや常勤性の証明が業種ごとに必要なため、1人の技術者が両方の業種で計上要件を満たせるとは限りません(確認順は技術職員数値とは参照)。

どちらか一方でしか要件を満たせない場合は、上記の実測が示すとおり、技術職員数がすでに多い業種より、少ない業種に計上したほうがP点の伸びは大きくなりやすいという一般的な傾向を判断材料にできます。

ただし、どちらの業種のP点を優先すべきかは、入札に参加したい工事の業種や、各業種の現在の入札参加資格ランクによっても変わります。自社の2業種のP点を並べて確認したい場合は複数業種P点比較で、2年平均・3年平均などの方式をそろえて試算できます(技術職員1人ごとの配分を自動で最適化する機能ではありません)。

個別の配分判断について本サイトが代行・助言を行うものではなく、最終的な判断と申請は自社の顧問行政書士等にご確認ください。

確認した一次資料

まとめ

  • 1人の技術者は技術職員として2業種まで計上できる。
  • モデルケースの実測では、技術職員が少ない業種への計上で+13点、多い業種への計上で+7点。両方に計上できれば合計+20点。
  • 差が出るのは、技術職員数値の区分表が対数に近く、既存の技術者が少ない業種ほど1名追加の効果が大きいため。
  • 両方の業種で計上要件を満たせない場合は、技術職員が少ない業種を優先する判断材料になる。

資格の格ごとの加点は経審の点数が上がる資格、業種別にP点が異なる仕組み全体は業種別にP点が異なる理由で解説しています。自社の2業種のP点を試算する場合は経審P点シミュレーター(無料・登録不要)と複数業種P点比較をあわせてご利用ください。

評点表・算式の転記元は一次資料・出典一覧で確認できます。

よくある質問

1人の技術者を2つの業種の技術職員名簿に両方載せられますか?
対応する資格・実務経験の要件を満たせば、1人の職員は技術職員として2業種まで計上できます(関東地方整備局の手引き)。ただし業種ごとに有資格区分コードと常勤性の証明が必要なため、両方の要件を満たせるとは限りません。
どちらの業種に計上した方がP点が上がりますか?
本サイトのモデルケースの実測では、技術職員がすでに少ない業種に計上すると+13点、多い業種に計上すると+7点でした。一般的な傾向として、技術職員数が少ない業種のほうが1名追加の効果は大きくなりやすいです。実際の差は自社の技術者構成によって変わります。
なぜ技術職員が少ない業種の方が伸びが大きいのですか?
技術職員数値の区分表が対数に近い形で設計されているためです。既存の技術者が少ない業種ほど1名の追加で区分が大きく動き、すでに技術者が多い業種では同じ1名の追加でも区分の動きは相対的に小さくなります。
2業種のP点をまとめて試算できるツールはありますか?
「複数業種P点比較」で2年平均・3年平均などの平均方式をそろえて2業種のP点を並べて試算できます。ただし技術職員1人ごとの2業種配分を自動で最適化する機能ではないため、配分先を変えた場合の再試算は自分で条件を変えて行う必要があります。

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本ツールは事業者ご自身が入力・利用する試算です(申請の代行・作成支援は行っていません)。個別のご相談は承っておりません。正式な評点は登録経営状況分析機関・審査行政庁の審査結果が優先します。数値は概算であり、実際の申請前に専門家へご確認ください。算定方法・出典・免責